【プロが解決】パーカーの商品撮影方法|『売れない写真』から卒業する5つのステップ

2022.2.26
【プロが解決】パーカーの商品撮影方法|『売れない写真』から卒業する5つのステップ

ECサイトでパーカーがうまく売れない、写真が素人っぽく見えてしまう。

その悩みを解決する最も重要な答えは、「フードの形」と「全体の立体感」を徹底的に作り込むことです。

これだけで写真は劇的に変わり、商品の魅力が顧客に正しく伝わるようになります。追加の機材なしで、今すぐブランド価値を高める撮影が可能です。

この記事では、商品写真専門サービス「物撮り.jp」を運営するプロカメラマンの篠原が、数多くのパーカー撮影で培った経験を基に、具体的な撮影方法と解決策を5つのステップで徹底解説します。

パーカーとは?

パーカーとは?のイメージ

では、まずパーカーとはなんでしょうか。
パーカーとは秋冬の衣類であり生地や着方としてはトレーナーと同じようなコーデが可能ですが、このトレーナーと違ってにフード(帽子)がついた特徴的な衣類となります。

パーカーは1930年代にファッションブランドの『チャンピオン』が開発し、NYで販売されたのがきっかけで今では全世界で愛用される衣類となりました。

なぜパーカーの撮影は難しいのか?プロが直面する3つの壁

なぜパーカーの撮影は難しいのか?プロが直面する3つの壁

商品撮影の相談

私たち「物撮り.jp」にも、アパレルブランド様からパーカー撮影のご依頼が数多く寄せられます。

その経験から、多くの方がつまずく、そしてプロが最も時間をかけるポイントは以下の3つに集約されます。

  1. フードが「つぶれて」しまう問題:パーカーの最大の特徴であるフード。しかし、ただ床に置いただけでは重力でつぶれ、だらしなく見えてしまいます。ここの形が整っていないと、写真全体が素人っぽい印象になります。
  2. のっぺりとした「平面的な」シルエット:特に平置き(フラットレイ)撮影では、パーカー全体の形が lifeless(生命感のない)な平面に見えがちです。生地の柔らかさや、着た時の美しいシルエットが全く伝わりません。
  3. 生地の「素材感」が伝わらない:裏起毛の暖かそうな質感、ヘビーウェイトコットンのしっかりとした風合いなど、パーカーの価値を左右する素材感。正面からのフラットな光で撮影してしまうと、これらのディテールがすべて消え、安っぽい商品に見えてしまうのです。

過去には私たちも、ただ綺麗に畳んで平置きした写真を納品し、「商品の良さが伝わらない」とご指摘を受けた苦い経験があります。

その失敗から生まれた、立体感と素材感を最大限に引き出すノウハウこそが、今回お伝えする解決策の核となります。

自宅で実践可能!パーカーを魅力的に見せる商品撮影5つのステップ

自宅で実践可能!パーカーを魅力的に見せる商品撮影5つのステップ

高価な機材は必要ありません。少しの工夫でプロのクオリティに近づける具体的な方法を、準備から仕上げまで5つのステップでご紹介します。

ステップ1:【準備編】シワ一つで売上は変わる!アイロンがけの徹底

これは撮影技術以前の、最も重要な下準備です。どんなに綺麗に撮影しても、畳みジワや細かなシワが残っていると、商品は古く、管理が悪い印象を与えてしまいます。

  • スチームアイロンをかける: 必ず、スチーム機能を使って生地をふっくらさせながらシワを伸ばしてください。
  • 「当て布」を必ず使う: 特にプリント部分や繊細な生地は、直接アイロンを当てると傷んだりテカリの原因になります。必ず当て布を使い、低温から試しましょう。
  • 紐の形を整える: フードの紐は、だらしなく垂れているのではなく、左右対称に綺麗なカーブを描くように整えるだけで、写真の完成度が格段に上がります。

ステップ2:【平置き編】立体感を生み出す「アンコ」の技術

ここがプロと素人の写真が最も大きく分かれるポイントです。商品を「置く」のではなく、「形を作る」という意識で臨みましょう。

フードの形を整えることが非常に重要です。

ティッシュペーパーや気泡緩衝材(プチプチ)などを丸めて、フードの内側に入れます。これを業界では「アンコ」と呼びます。

ポイント:パンパンに詰め込むのではなく、フードが自然にふっくらと立ち上がる程度に調整します。外から見てアンコが見えないように、丁寧に入れ込むのがコツです。

身頃と袖に立体感を出す

フードと同様に、身頃や袖にもアンコを薄く入れるか、手で優しく生地をたわませて、自然なドレープ(布のたるみ)を作ります。

ポイント: 袖は軽くカーブさせると、動きが出て生き生きとした印象になります。胴体部分は、ただの長方形に見えないよう、ウエスト部分を少しだけ内側にカーブさせると、スタイリッシュなシルエットが生まれます。

ステップ3:【ライティング編】自然光を「斜め」から当てる

高価なストロボは不要です。最高の光源は「窓から入る自然光」です。

  • 最適な場所: レースのカーテンがある窓際がベストです。直射日光ではなく、柔らかく拡散された光(ディフューズ光)が、商品を美しく見せます。
  • 光の方向: パーカーの真横、あるいは斜め45度くらいの位置から光が当たるように配置します。正面からの光はのっぺりしますが、斜めからの光は生地の表面に自然な陰影を作り出し、素材感を劇的に引き立てます。
  • レフ板の活用: 光が当たっている方と反対側が暗く落ち込みすぎる場合は、白い画用紙や段ボールを立てて光を反射させてあげましょう。これで全体の明るさが均一になります。

ステップ4:【撮影編】真上からのアングルで安定させる

パーカー全体の形を正確に伝えるため、カメラ(スマートフォン)はパーカーの真上から、水平に構えて撮影します。

三脚を使う: 手持ちでの撮影は、毎回アングルが微妙にずれてしまいます。特に複数カラーの商品を撮影する場合、写真のクオリティを統一するために三脚やスマホスタンドの使用を強く推奨します。

グリッド線を表示させる: スマホのカメラアプリの設定で「グリッド線」を表示させ、パーカーの中心がズレていないか、肩のラインが水平になっているかを確認しながら撮影しましょう。

露出補正を活用: 全体が少し暗いと感じたら、カメラの露出補正機能で+0.3〜+0.7程度明るく設定して撮影すると、清潔感のある明るい写真になります。

ステップ5:【レタッチ編】最後の仕上げで魅力を最大化

撮影が終わったら、簡単なレタッチ(画像編集)で写真の完成度を高めます。無料のスマートフォンアプリでも十分可能です。

  • 明るさとコントラストの調整: 全体の明るさを少し上げ、コントラストをわずかに上げるだけで、写真が引き締まります。
  • ゴミやホコリの除去: 撮影時には気づかなかった小さなホコリが付着していることがよくあります。拡大してチェックし、修正アプリの「ゴミ除去ツール」などで丁寧に取り除きましょう。この一手間が、商品の品質への信頼感に繋がります。
  • 色味の調整: 実物の色と写真の色が違って見える場合は、「ホワイトバランス」や「彩度」を調整して、できるだけ実物の色に近づけましょう。

それでも上手くいかない…プロと素人の決定的な違いとは?

それでも上手くいかない…プロと素人の決定的な違いとは?

ここまでのステップを実践すれば、写真は確実に見違えるはずです。

しかし、それでも「プロの写真のようにならない」と感じる場合、そこには機材と経験の壁が存在します。

プロの現場では、商品の素材感を最大限に引き出すための大型ストロボや、歪みのない撮影が可能な高性能レンズを使用します。

そして何より、1日に何十着というアパレル商品を撮影する中で培われた、「どうすれば商品の価値が最も伝わるか」を瞬時に判断し、形にする経験値が決定的な差を生み出します。

もし、あなたが新商品のリリースやブランドのリニューアルで、どうしても最高品質の写真が必要な場合、あるいは撮影に割く時間がない場合は、プロに任せるというのも賢明な解決策です。

私たち「物撮り.jp」では、全国どこからでも商品を郵送いただくだけで、プロのカメラマンが撮影を担当します。

1カット550円、1商品4カット2,200円という明確な料金で、商品到着から3営業日以内というスピードで高品質なデータをお届けします。

まとめ

まとめ

パーカーの商品撮影で失敗を解決し、売上を伸ばすためには、「立体感」と「素材感」の表現が全てです。

  • 準備: アイロンがけを徹底し、シワをなくす。
  • 形作り: フードや身頃に「アンコ」を入れ、立体的なシルエットを作る。
  • ライティング: 窓際の自然光を「斜め」から当て、素材感を出す。

これらの基本を丁寧に実践するだけで、あなたのパーカーの写真は見違えるほど魅力的になります。ぜひ、次の商品撮影で試してみてください。

そして、もし専門家の力が必要になった時は、いつでも「物撮り.jp」にご相談ください。

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