【完全版】商品撮影の照明機材の種類をプロが徹底解説!初心者でも分かる選び方のコツ

2022.1.6
【完全版】商品撮影の照明機材の種類をプロが徹底解説!初心者でも分かる選び方のコツ

商品撮影の照明は「自然光」から始めるのが最も簡単です

 

「商品をキレイに撮りたいけど、どんな照明機材を選べばいいか分からない…」というお悩みに、物撮り.jpでカメラマンをしている私篠原がお答えします。

最も手軽にプロ品質の写真を手に入れる秘訣は、窓から差し込む「自然光」を最大限に活用することです。

高価な機材を揃えなくても、柔らかく美しい光を無料で利用できるため、初心者の方には最適なスタート地点と言えます。

レースのカーテンを一枚挟むだけで、光が拡散されてプロが使う「ソフトボックス」のような効果が得られます。

ただし、自然光には天候や時間帯によって光の強さや色が変わってしまうという弱点もあります。

常に安定した品質の写真を量産する必要があるECサイトなどでは、やはり人工の照明機材が必須となります。

この記事では、私たちプロの現場物撮り.jpで実際に使用している経験も交えながら、商品撮影に使う照明機材の種類、それぞれの特徴、そして選び方のコツを徹底的に解説します。

なぜ商品撮影に照明機材が重要なのか?

照明機材のイメージ

そもそも、なぜ照明が重要なのでしょうか。

理由はシンプルで、「光を制する者が写真の品質を制する」からです。

  • 商品の魅力を引き出す: 光の当て方一つで、商品の色、形、質感(テクスチャ)の伝わり方が劇的に変わります。
  • ブランドイメージの統一: 常に同じ光の環境を再現することで、ウェブサイトやカタログ全体で写真のトーンが統一され、ブランドイメージが向上します。
  • 売上の向上: 魅力的な写真はユーザーの購買意欲を直接刺激し、売上アップに繋がります。

私たち物撮り.jpでも、クライアント様からお預かりした商品の魅力を最大限に引き出すため、ライティングには最も時間と技術を注いでいます。

【基本】商品撮影で使われる2大照明機材

クリップオンのイメージ

商品撮影で使われるプロ用の照明機材は、大きく分けて「ストロボ(瞬間光)」と「定常光ライト(持続光)」の2種類です。

ストロボ(モノブロックストロボ)

ストロボは、シャッターを切った瞬間に「ピカッ」と一瞬強い光を放つ照明機材です。

今ではモノブロックタイプでもバッテリータイプ、ジェネレートタイプと数々のストロボ機材があり、プロカメラマンは場面に応じて使い分けしています。

メリット

  • 圧倒的な大光量: 非常に強い光を放つため、カメラの絞りを絞って(F値を大きくして)商品全体にピントが合ったシャープな写真を撮影できます。
  • 太陽光に近い自然な色味: 色の再現性が高く、商品の色を忠実に表現できます。
  • ブレに強い: 瞬間的な光なので、手ブレや被写体ブレの心配がありません。

デメリット

  • 仕上がりをイメージしづらい: 撮影するまで光の状態が分からないため、初心者には扱いが難しい場合があります。(モデリングランプという常時点灯する弱い光で確認は可能)
  • 比較的に高価: 高性能なモデルは価格が高くなる傾向があります。

【物撮り.jpのプロの視点】

私たちは、シャープさが求められる工業製品や、複数の商品を並べて撮影する集合写真などでストロボを多用します。

例えば、あるメーカー様の化粧品ラインナップ撮影では、大小様々なボトル全てにピントを合わせるため、F値をF16まで絞り込みました。

これほどの絞り値で鮮明な写真を得るには、ストロボの大光量が不可欠です。

定常光ライト(LEDライト)

ジェネレーターストロボのイメージ

定常光ライトは、常に光り続けている照明機材です。近年は、熱を持ちにくく長寿命なLEDライトが主流になっています。

また映像撮影では欠かせない照明機材ですが、今では小型のLED照明はインフルエンサーのライブ配信などでも必須機材となっています。

メリット

  • 見たまま撮影できる: 光が当たっている状態を直接見ながら撮影できるため、初心者でも直感的に光の向きや影の出方を調整できます。
  • 動画撮影にも使える: 持続光なので、商品紹介の動画を撮影する際にもそのまま利用できます。
  • 安価なモデルも多い: ストロボに比べて、比較的手頃な価格の製品が豊富です。

デメリット

  • ストロボより光量が小さい: 一般的にストロボほどの強い光は出せないため、絞りを大きく開ける(F値を小さくする)必要が出てくる場合があります。
  • 製品によっては発熱する: 長時間使用すると熱を持つモデルもあるため注意が必要です。

【物撮り.jpのプロの視点】

食品の撮影では、定常光のLEDライトが活躍します。

先日の撮影依頼をいただいた時の話ですが、ある洋菓子店様のECサイト用撮影で、ケーキにかかったソースの「とろり感」や「シズル感」を表現する必要がありました。

この際、撮影方法としてはLEDライトを使い、光が当たる角度をミリ単位で調整しながら、最も美味しそうに見えるハイライト(光の反射)を探し出して撮影します。

このように、リアルタイムで光を確認しながら微調整したいシチュエーションでは定常光が非常に有利でスムーズに撮影が進むことも多くあります。

光の質を操る「ライトモディファイヤ」の種類

モノブロックストロボのイメージ

照明機材は、光源(ライト本体)だけでは使えません。

様々な照明器具にあったアクセサリーを組み合わせることで、光の硬さや広がりをコントロールし商品に合わせた最適な「光」を作り出すからこそプロのカメラマンです。

ソフトボックス

光を柔らかく拡散させるための、内側が銀色もしくは白色の箱状のアクセサリーです。

光の方向を定めて、光を直線的に当てれるため陰影のコントロールもできるため商品撮影では最も使用頻度が高いと言えます。

物撮り.jpでの活用例

弊社の物撮りサービスでは、アパレル商品の質感をふんわりと見せたい時や、化粧品のボトルのような反射しやすい商品を撮影する際に、大型のソフトボックスをメインライトとして使用するのが定番です。

またアパレルなど立体的に見せる際にも、効果的に使用できます。

アンブレラ

傘のような形状のアクセサリーで、光を反射させたり、透過させたりして使います。

サイズも2m程の特大のものから60cm程度の小型のものまで多くありますが、物撮り.jpでは大型の150cm程度のアンブレラを活用することが多く商品撮影では大きいものが使いやすいと考えます。

  • 特徴: ソフトボックスよりも広範囲に光を拡散させることができます。セットアップが簡単で持ち運びにも便利ですが、光のコントロールは少し難しくなります。
  • 種類:
    • トランスルーセント(透過)タイプ: 傘の内側から光を当て、被写体を柔らかく照らします。
    • リフレクター(反射)タイプ: 傘の外側から光を当て、内側の銀色や白色の面で反射させて使います。

レフ板

照明機材そのものではありませんが、光をコントロールする上で絶対に欠かせない道具です。

白レフや銀レフはライトが作った光を反射させて、暗くなっている部分(シャドウ)を明るくするために使います。

反対に黒レフやグレーレフは特徴的な影を作りレフの位置で濃淡を演出して使ったりもします。

色による効果の違い

  • 白: 最も自然で柔らかく光を反射させます。
  • 銀: 白よりも強く、硬めの光を反射させます。メリハリをつけたい時に使います。
  • 金: 温かみのある色の光を反射させます。料理などを美味しそうに見せる効果があります。
  • 黒:光の反射を抑えてしっかりと影を作るときに使います。

【物撮り.jpの独自ノウハウ】

初心者がやりがちな失敗としては、暗い部分を明るくしようとして安易にライトをもう一台追加してしまうことです。

これにより不自然な影が多方向に生まれ、写真が台無しになることがあります。(メインライトが定まっていない)

プロカメラマンはまずレフ板で光を「拾う」ことを考えます。

弊社では、光沢のあるアクセサリーを撮影する際、メインライトとは反対側に置くレフ板だけでなく、カメラの手前側にも小さな白いレフ板を置き、商品の正面に微かな光を当てるテクニックを多用します。

これにより、商品のディテールや製品のロゴマークが潰れずにくっきりと浮かび上がり、高級感が格段に増すのです。

 

プロが実践する基本のライティングセッティング術

LED照明機材のイメージ

機材の種類が分かったところで、次に具体的なセッティング方法を解説します。

照明の数が限られている方も多いと思いますので、1灯からできる基本的な考えを共有します。

1灯ライティング(基本の形)

最も基本的で、多くの商品に対応できるセッティングです。

  1. 商品を置き、カメラを三脚にセットします。
  2. 商品の斜め前(45度くらい)に、ソフトボックスを付けたライトを1台置きます。これがメインライト(キーライト)となります。
  3. ライトとは反対側の斜め前に、白いレフ板を置きます。
  4. レフ板を商品に近づけたり遠ざけたりして、影の明るさを調整します。

たったこれだけで、立体感のある美しい商品写真が撮影できます。ただ1灯ライティングの場合は製品に当てる光がメインとなるので背景などのトーンは調整できません。

2灯ライティング(より自由にコントロール)

メインライトに加えて、もう1台ライトを追加するセッティングです。

1灯増えるだけでも撮影の自由度は高まり、独自のこだわりなども加えることもできるようになります。

  1. 1灯ライティングと同様に、メインライトを設置します。
  2. レフ板を置いていた位置に、2台目のライトを置きます。これをフィルインライトと呼びます。
  3. フィルインライトは、メインライトよりも光量を弱く設定するのが鉄則です。メインライトが作る影を、あくまで補助的に和らげる役割です。

【商品撮影での失敗談】

カメラマンになったの初期の頃、黒い背景に黒い光沢のある革製品を置くという撮影依頼で、この2灯ライティングに苦戦した経験があります。

メインとフィルの光量バランスが悪く、製品の立体感がなくなり、ただの黒い塊にテカりがあるだけの写真になってしまいました。

この失敗から、反射の強い被写体ではライトの「面」の大きさと距離が重要であること、そして次の3灯ライティングの必要性を痛感しました。

3灯ライティング(プロの領域)

3灯使える照明は背景と商品を切り離し、よりクリアで高級感のある写真を撮るための上級テクニックを使うことができます。

  1. 2灯ライティングを基本にセッティングします。
  2. 3台目のライトを、商品の真後ろ、あるいは斜め後ろの上方から当てます。
  3. この光が商品の輪郭を照らし、リムライト(エッジライト)として機能します。

このリムライトによって、商品が背景からくっきりと浮かび上がり、シャープで印象的なビジュアルを作り出すことができます。

特に、背景と商品の色が近い場合や、商品のエッジを際立たせたい場合に絶大な効果を発揮します。

【物撮り.jpの商品撮影での照明数】

物撮り.jpでは商品に合わせて照明の数は変わります。

しかし、少なくとも3灯。多い時には8灯もの照明を使います。

照明の数が多い帆が綺麗な写真が撮れるということでは、ありませんが商品撮影にこだわって撮影しているということです。

まとめ:最適な照明で商品の価値を最大限に

https://butsu.jp/customer

商品撮影における照明機材は、商品の魅力を引き出し、売上を左右する非常に重要な要素です。

  • 手軽に始めるなら「自然光」から
  • 安定した品質を求めるなら「人工光」
  • シャープさを求めるなら「ストロボ」
  • 見たまま撮りたいなら「定常光LEDライト」
  • 光の質は「ソフトボックス」や「レフ板」で調整する

このように、商品撮影に必要な照明の知識と技術は一朝一夕には身につかない奥深い世界です。

「機材を揃えるのが大変」「最適なライティングが分からない」「もっと高品質な写真で競合と差をつけたい」 もしこのようにお悩みでしたら、ぜひ私たち商品撮影のプロにお任せください。

物撮り.jp」では、経験豊富なプロカメラマンが、一つひとつの商品に最適なライティングを施し、その価値を最大限に引き出す写真を撮影します。

1カット550円(税込)からというリーズナブルな価格で、全国どこからでも商品を郵送いただくだけ。最短3営業日で高品質な写真データをお届けします。

まずは、お気軽にご相談ください。あなたの商品の魅力を、光の力で引き出すお手伝いをさせていただきます。

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