プロカメラマンが教える商品撮影時のカメラの設定方法!

今回ブツ撮りラボで書かせていただくテーマは『プロカメラマンが教える商品撮影時のカメラの設定方法!』となっております。
このブツ撮りラボは10年以上商品撮影を専門に撮影しているカメラマンが書かせていただいておりますので納得いただける情報となっていることを保証します!
私達「物撮り.jp」のプロカメラマンじゃ10年以上様々な大手百貨店様や企業様のメインビジュアルなどを撮影してきたからこそ伝えられる、今日からできる簡単な商品撮影のテクニックをご紹介させていただきます。
今回は基本編ということでカメラの設定方法や手順などを中心にご説明させていただきます。
1,まずはカメラの基本的な設定を理解しよう
撮影には必ずカメラを使用します。そのカメラの設定を理解しなければ撮りたいイメージを撮影することなど到底できません。
また、カメラには簡単に撮影できるような様々なオート機能があります。完全オート設定で撮影するのか手ブレしないようにシャッタースピードだけ指定して残りはオートで撮影するのか。撮影シーンで選択するというのもあります。
ですが、オート設定にすると写真の明るさや色が全てバラバラになってしまうので、プロのカメラマンは全てマニュアル設定で撮影します。
カメラのマニュアル設定設定について基本的なピクチャースタイル、ホワイトバランス、絞り、シャッタースピード、ISOに分けて説明させていただきます。
ピクチャースタイル
ピクシャースタイルとは、写真の色の出方をメーカーごとに表した早見表の様なものです。
ポートレートスタイルは肌の色味に透明感が出る様な設定だったり、風景スタイルは彩度が自然な色合いで高く季節の色めを表現できる様な設定、またはスタンダードスタイルは被写体の色味を忠実に表現する様な設定だったりします。
カメラのメーカーによって言い方は様々ですが、必ず写真の色味の変換できる機能は備わっているはずなので撮影前にまずはピクチャースタイルの設定から行いましょう。
プロカメラマンは必ず撮影用途によってこの写真のスタイルを変更しています。
今まで写真編集でおこなっていた作業や、撮影写真をもっとよくしたい‥などの悩みはまずはここの設定変更をしてみましょう。
ホワイトバランス
全てのカメラで設定ができるホワイトバランスの正しい使い方をご存知でしょうか?
光には青くみえる光やオレンジにみえる光などがありますが、それらはケルビン指数にて光の色が数値化されたものがあります。
ケルビン数値は2000から10000の数字で表されることが多く、2000などの低い数値の光はオレンジ色になり、10000などの数値が多いほど青い光になります。
カメラでもこのケルビン(色温度)設定もでき、朝日や夕日のオレンジの光があるときにホワイトバランスをケルビン設定にし2000など低い数値にすれば夕日のオレンジとケルビン指定によりオレンジ色が抜けて昼間のような光の写真が撮れたりもします。
ですが、本来プロカメラマンはケルビンにてホワイトバランスも合わせることもありますが、基本的にはカラーチェッカーやグレーカードといったカメラにその場の光の色を強制的に色合わせをする機能を使うことが多いです。
グレーカードの合わせ方
グレーカードとは白色に18%の黒を混ぜた写真業界で決められたグレー色のA4サイズほどの大きさのボードのことです。
合わせ方としてはまずカメラのホワイトバランスの設定を『マニュアル』に設定します。
そのあとはカメラメーカーにもよりますが、ホワイトバランス設定の箇所に『WB用画像の読み込み』などのボタンがあるのでそこから色合わせ用の写真を読み込みましょう。
または、ホワイトバランスを合わせるためにグレーカードをカメラの画角の80%ほど入れた状態で写真を撮るなどの方法のカメラメーカーもございます。
このホワイトバランスの設定方法によって、撮影環境により変化する色温度を正しく設定でき、写真の色を調整することできます。
グレーカードがない方はA4サイズの白色のコピー用紙でも代用できます。
絞り(f値)
絞りとは撮影時にカメラに入ってくる光の通り道の大きさの設定です。
絞り値の確認ですが写真を撮影する際に設定確認の画面に『F4.0』などの数値が表示されるので、その数値を変えることで写真のイメージを大きく変えることができます。
F値は1.0〜32までの数字で表示されることが多く、F1.0と数値が小さくなればなるほど光が多くはいってくるので暗い場所でもこのF値を小さくすることによって明るく撮影できるなどメリットもありますがF値は小さくなればなるほど、被写界深度(ピントの合う幅)が狭くなってくるのでピント合わせが難しくなるデメリットもあります。
反対にF値が多くなればなるほど、光が入ってくる穴が小さくなるのでピントの合う幅は広くなり撮影はしやすくなりますが、光の入ってくる穴が小さくなるので多くの光が必要となってきます。
スタジオなどで大型の照明機材を利用した撮影では可能ですが、通常の撮影であれば数値が大きくなってもF11あたりに設定しておけば、ピントのズレなども発生しにくいので安心して撮影できるでしょう。
シャッタースピード
シャッタースピードとは、カメラに光を入れる時間のことです。
シャッタースピードが早くなれば水滴も止まったような写真が撮れたり、シャッタースピードが遅ければ車が走った軌道の写真が撮れたりします。
しかし、商品撮影や基本的なモデル撮影の場合はストロボを使用するかと思います。
シャッタースピードを早くしすぎるとストロボの瞬間光をカメラに取り組むことができないので、基本的に1/125で設定しておけばほとんどのストロボで利用でき、手ぶれも起きにくいので、プロカメラマンの多くはスタジオ撮影の際のときは1/125もしくは1/160にて設定していることが多いです。
これはカメラマンの簡単なシャッタースピードを決めるためのテクニックとして共通の知識ですが、ロケなど屋外の撮影の時は『レンズの焦点距離よりも多い数値のシャッタースピードに設定する』と言われています。
100MMのレンズ距離であれば1/125、200MMの焦点距離であれば1/200より早いシャッタースピードじゃないと写真がブレてしまう可能性があるということです。
初めて使う望遠レンズや暗い場所で使う広角レンズの際にはこのルールを意識して撮影してみてはいかがでしょうか。
ISO感度
ISO感度とはどれだけ光を吸収するか?を設定する数値です。主にISO感度は100〜25600の幅でカメラ内にて設定することが多いです。
絞りが『F4.0』シャッタースピードが1/125で照明などが同じ環境の時にISO100の写真とISO200の写真ではISO200の写真の方が光を取り込む量が単純に倍になり、明るい写真が撮影できます。
ISO感度の特徴としては数値が小さくなれば光の吸収率が下がり写真が暗くなります。
反対に数値が大きくなれば光の吸収率があがり写真が明るくなります。この特性を使って、ISOを高く設定すれば星空の写真も撮影することができます。
また、ISO感度の数値が大きくなるにつれて『ノイズ』と言われる写真のザラつきが発生しやすくなります。
暗い場所で撮影すると写真の鮮明さがなくなってしまうことです。
商品撮影時のISO感度の目安は1000くらいまでを上限にすることをオススメします。
商品撮影などのスタジオ撮影時のカメラの設定の順序
プロカメラマンの撮影時のカメラ設定の順序ですがスタジオ撮影とロケ撮影と大きく変わります。
基本的に同じ順序だと思われますので、こちらを紹介させていただきます。
1,シャッタースピード
商品撮影やモデル撮影の場合はスタジオでの撮影が多いかと思われます。
撮影時の光の環境、光の量は照明機材により自在に変えることができますので、まずは照明機材に合わせたスピードを設定しましょう。
シャッタースピードは基本的なストロボ撮影時の目安は1/125が標準なので、悩んだ際には1/125で大丈夫です。
2,ISO感度
ここで考えるべきISO感度の設定数値ですが答えはノイズが発生しなければいいので、できるだけ小さい数値で設定しましょう。
また、ISO感度ですが100など選択できるカメラもあるのですが、現在のデジタルカメラのISO100などの最低感度に関してはハイライトなどが強調される現象が起きやすくなりますので、あえてISO200以上のできるだけ小さい数値を選択しましょう。
3,絞り
スタジオ撮影時の絞り値に関しては、商品にどれだけピントを合わせるか?などで決定します。
ピントを浅く淡い写真にしたい場合はF2.8−F4.0あたりの数値をします。また前面にピントを合わせたいという方はF10-F13あたりがオススメです。
逆にF22まであげてしまったら?
とも思いますが、絞り値を上げ過ぎてしまった場合に回折現象をいうレンズ内で光が乱反射して写真が淡くなる現象も起きる可能性も出てきます。
プロカメラマンは照明のセッティングや写真編集ソフトなどでこれを回避することができるのですが、まずは回折現象を起こさない設定で撮影されることをオススメいたします。
4,ホワイトバランス
最後にホワイトバランスです。
なぜ、最後にホワイトバランスか?
といいますと照明セッティグ時に光の少しのパワー調整でも色温度は変わってしまうことがあります。
カメラの基本的なシャッタースピード、ISO感度、絞り値などを設定した上で照明のセッティングを行い、光がきまったら『被写体』と同じ場所、同じアングルでホワイトバランスをマニュアル設定にし、グレーカードでホワイトバランスをあわせましょう。
商品撮影はやってみないとわからないことだらけ!
実際に初めて商品撮影を行う場合は、やってみないとわからないことだらけです。
実際に撮影経験者でも「カメラで見たときはよかったけど、パソコンに入れたら良さがでてない」などといったことも少なくありません。
しかし、このまま完全な商品撮影ができていない状態の商品写真では商品の売れ行きにも影響してしまいます。
そこで、カメラマンに依頼することや、改めて勉強することになっていきますがそもそも商品撮影だけでカメラマンに依頼する方法もわからない。。
オンライン商品撮影サービスをご存知ですか?
オンライン商品撮影サービスとは商品を発送するだけでプロカメラマンの撮影データが納品される商品撮影代行サービスです。
今では様々な価格帯でおこなているサービスがありますが、そこで注意しないといけないことが『1カットあたりの撮影費が安すぎるサービス』です。
1カットあたりの撮影費が安すぎてしまうとカメラマンが1カットに対する時間も少なくなってしまい、流れ作業になってしまう恐れもあります。
また、撮影実績を調べることも大切なポイントです。 商品撮影を依頼することを検討している方は、是非上記を参考に商品撮影サービスをご検討してみてくださいませ。