商品撮影時の色合わせに必要なホワイトバランスの設定方法

2022.3.14
商品撮影時の色合わせに必要なホワイトバランスの設定方法

商品撮影は商品の色を忠実に写真で表現しないと購入ユーザーよりクレームにつながる恐れがある、とても重要な部分です。

商品の色合わにはカメラ側のホワイトバランスという設定をしっかりと商品や光に合わせて調整する必要があり、この設定方法を間違えた方法で行ってしまうと商品の色味も必然と崩れてしまいますので今回のブツ撮りラボでは『商品撮影時の色合わせに必要なホワイトバランスの設定方法』についてしっかりとご説明させていただきます。

是非、商品撮影時の色合わせについて不明な点が多い方や、しっかりと復習したい方は最後までお付き合い下さいませ。

物撮り 相談

ホワイトバランスとは何か?

ホワイトバランスとは何か?のイメージ

そもそもホワイトバランスとはなんでしょうか?
ホワイトバランスとは簡単に言えば『白色の商品を白く表現するための色補正機能』のことです。

光には種類があり昼間の自然光は白背景は青みがかり、曇りの日の自然光は赤みがかかります。

また、室内の蛍光灯での光は主に緑がかってしまうなど、環境によって白色の見え方が大きく変わってきてしまうのです。

ホワイトバランスの重要性

ホワイトバランスの重要性のイメージ

ホワイトバランスの重要性とはなんでしょうか?
ホワイトバランスは商品の色を合わせるための機能でカタログやネットショップなどで商品を販売するためには商品の色味を見た目と忠実に合わせる必要があるのです。

商品をネットショップなどの商品を実際に見ずに購入される方に商品の魅力を伝えるためには必ず必要な設定であり、ホワイトバランスは正しい設定方法で商品の色合わせを行い商品の色味を合わせることで商品の売れ行きが大きく変わるので、しっかりと調整設定することをオススメいたします。

ホワイトバランスの設定の方法

ホワイトバランスはカメラの設定部分で調整、設定ができるのですがメーカーによって設定箇所は異なります。

主に設定ボタンからホワイトバランス設定を行う機種もありますが、外部ボタンで変更できる機種もあるので、商品撮影時のホワイトバランスの設定についてはカメラの本体の設定部分を把握いただいてホワイトバランスの設定を行うようにしましょう。

では実際のホワイトバランスのそれぞれの特徴についてご紹介させていただきます。

ケルビン設定(色温度)

(ホワイトバランスの資料参考)

まず初めにご説明させていただくのはケルビン設定(色温度)によるホワイトバランスの設定方法です。

ケルビンとは聞いたことはありますでしょうか?
ケルビンとは光源の色温度の単位で使用されている数値で黒色がその温度に応じた時に発光する原理に基づいた数値であり、約4000ケルビン以下は赤みがかり、約7000ケルビン以上は青みがかかるように見える色に対する値のことを示します。

デジタルカメラではケルビン(色温度)を低くすると写真全体が青くなり、反対にケルビン(色温度)をあげると赤くなります。

写真では主に5000から6000ケルビンの間で設定することが多いのですが、状況によって異なりますので、白背景が白く見える数値を是非、探って調整してみてくださいませ。

オート設定

オート設定とは名前の通り、カメラ側がその場の環境に応じて自動で色温度やホワイトバランスを自動で設定してくれる機能です。

この機能は商品撮影を撮影するたびに自動で設定されるため、引きの写真とよりの写真で商品の色合いが変化してしまう可能性があるので注意が必要です。

一昔前のカメラではこのオートホワイトバランスの性能が低く使いにくい機能でしたが、2018年以降のプロ用のデジタルカメラであれば白色を基準とする機能もあることから、ホワイトバランスのオートも使いやすくなってきております。

このオート設定は主に屋外のロケーション撮影で使用しやすい設定です。

マニュアル設定

プロカメラマンが最も利用するのはこのホワイトバランスのマニュアル設定ではないでしょうか。
マニュアルでの設定はほとんどの一眼レフカメラには備わっている機能で、プロ用のカメラであれば必ずついている機能です。

商品の撮影前に白色やカラーチャート、カメラ撮影用のグレーカードを撮影し、撮影環境の白色やグレーの色合いをカメラに保存し、環境に適したホワイトバランスを設定する方法です。

マニュアルでのホワイトバランスの設定方法はグレーカードを読み取る際に商品の位置にセットし、カメラでそのグレーカードを写真全体に表示するように撮影することが重要ですので、照明のセッティングが完成してから設定するようにしましょう。
(照明の角度などの細かい設定によってもホワイトバランスが変化する場合がありますので、完全に照明セッティングが完成してからホワイトバランスを合わせるようにしましょう。)

クリック設定

クリック設定でのホワイトバランスの設定方法はカメラ側ではなく、商品写真をパソコンに入れてから調整する設定方法となっております。

クリック設定でのホワイトバランスの設定の方法は商品撮影後に後から自由にホワイトバランスを調整することができる方法なのですが、注意点としては写真を撮影する際には必ずRAWデータ(ロウデータ)で撮影する必要があります。

またRAWデータを編集するための写真編集ソフトも必要になることから一般の方には写真を作成するために時間と労力もかかるためオススメはしませんが、細かく微調整しながら商品撮影を行い方は是非、このホワイトバランスの設定方法をご利用ください。

商品撮影でおすすめのホワイトバランス設定方法は?

商品撮影でおすすめのホワイトバランス設定方法は?のイメージ

では次にホワイトバランスの色々な設定方法についてご紹介させていただきます。

ホワイトバランスのマニュアルでの設定方法は3パターンの方法があり、それぞれの方法のメリットも多くあります。

ホワイトバランスのマニュアルの設定についてしっかりとご説明させていただきますので、どの設定方法がご自身に合っているのか合わせて検討してみてくださいませ。

1マニュアル設定

ほとんどのカメラマンはこのマニュアル設定でホワイトバランスを設定することが多いでしょう。

多くのカメラマンはスタジオ撮影をすることが多く、照明セッティングが決定した場合は初めにマニュアルにてホワイトバランスを設定することで背景の見え方やトーンが揃った商品撮影が可能となります。

商品撮影の背景の見え方は統一することで掲載する商品写真のランクを一気に上げることが可能です。

マニュアル設定の方法

ホワイトバランスのマニュアルの設定の方法はグレーカードや白色の紙、カラーチャートをカメラに記録させて適正なホワイトバランスを設定します。

主に、まずグレーカードなどの白色の基準になるものの写真を撮影し、カメラのメニュー内にあります『MWB画像選択』から登録すればホワイトバランスが正しく設定されます。

グレーカードなどの撮影時の注意点はグレーカードの撮影写真の中心から80%以上をグレーカードを占めるように撮影すること、商品の設置場所でしっかりと光が当たっている状態で陰影の少ないように撮影することです。

グレーカードについてどのようなグレーカードをお持ちでない方はよければ下記に物撮り.jpで利用しているグレーカードの写真を添付させていただきますので、写真をダウンロードし印刷してご利用くださいませ。

マニュアル設定のメリット

ホワイトバランスをマニュアルで設定するメリットについてご紹介させていただきます。

  • 撮影背景の色味が統一できるので商品写真の全体のイメージアップできる。
  • ホワイトバランスの設定方法が比較的簡単である。
  • 同じ撮影環境で同じ照明であればホワイトバランスが崩れることのない。

などホワイトバランスをマニュアルでするには多くのメリットがあります。

2クリック設定

ホワイトバランスのクリック設定についてご紹介させていただきます。

このホワイトバランスのクリック設定は商品撮影後に写真編集ソフトにてホワイトバランスを設定する方法なのですがほとんどの写真編集ソフトにはホワイトバランスを一瞬で適正に設定する使用があり、これをクリック設定といいます。

商品写真を必ず編集されている方にはおすすめのホワイトバランスの設定方法です。

クリック設定の方法

ホワイトバランスのクリック設定の方法についてご紹介させていただきます。

今回はCanonの無料編集ソフト『Digital Photo Professional』のホワイトバランスのクリック設定の方法についてご紹介させていただきます。

まずは商品撮影時に写真のデータ形式をRAWに設定し、撮影後にパソコンよりDigital Photo Professionalを起動し、撮影した商品写真を選択します。

次にホワイトバランスの設定ツールでクリック選択を使用し、白背景をクリックするとクリックした部分を基本的な白色と認識し、ホワイトバランスが自動で認識されるツールです。

クリック設定のメリット

ホワイトバランスのクリック設定のメリットについてご紹介させていただきます。

  • クリック設定を行うことで商品写真の明るさやコントラストなども合わせて調整できる。
  • 商品撮影後にホワイトバランスの設定ができるので、撮影時に気づかなかった色崩れなども調整できる。
  • 同じ撮影環境であれば、1枚の商品写真を調整するだけで1000枚以上の商品写真でも一括編集することができる。

3ケルビン設定

ケルビン設定(色温度)をマニュアルで設定し、商品の色味を合わせる方法をご紹介させていただきます。

カメラによりますが、主に4000-7000の間で設定できる青色から赤色の間を探りながらホワイトバランスを設定する方法です。

商品写真の撮影時に『背景が青く感じる‥』や『背景が赤っぽく見える‥』などの現象が起きた時に便利な設定方法です。

商品撮影の環境によっては自然光とストロボ光の合わさったミックス光になる場合などはグレーカードで設定しても色温度があいにくいこともよくあります。
その際にこのケルビン設定で細かく調整していくとホワイトバランスをしっかりと合う事が多いです。

また商品撮影をイメージ写真のように仕上げたい場合はあえてケルビンを少ない数値にし青白い背景などを作るときもこの方法がオススメでしょう。

ケルビン設定の方法

ホワイトバランスのケルビン設定の方法はカメラのホワイトバランス設定から『K』もしくは『KB』を選択し、数値を指定してホワイトバランスを設定します。

ケルビン設定の場合は主に何度の商品写真を撮影しながら調整していくの少し時間のかかるホワイトバランスの設定方法ですが、慣れるとどのホワイトバランスの設定よりも早くイメージ通りに仕上げる事ができるホワイトバランスの設定方法です。

セルビン設定のメリット

ホワイトバランスのケルビン設定のメリットについてご紹介させていただきます。

  • イメージ写真などの商品撮影時に使いやすく、理想の色味に自分で調整する事ができる。
  • 昼間の屋外の撮影でもケルビン設定によって夕方などのイメージづくりもできる。
  • グレーカードなどホワイトバランスの設定用の機材がない場合でも簡単に合わせる事ができる。

商品撮影時のホワイトバランスの設定時の注意点

今回はホワイトバランスの設定方法についてご紹介させていただきましたが、ホワイトバランスの設定時の注意点もありますので紹介させていただきます。

  • マニュアルホワイトバランスの設定の際は必ず照明セッティングが完成してからホワイトバランスを設定しましょう。
  • クリック設定の場合は使用するパソコンを統一しましょう。
    パソコンやタブレットなどのモニターによって見え方が変わってしまいますので、商品写真を編集するパソコンは必ず統一しましょう。
  • 屋外で撮影する際は天候や雲の量によってホワイトバランスが変わってしまうので、細かく設定したい場合は日差しが変わるたびに設定をし直す必要があります。
  • 商品祭を行うには照明機材が必要です。
    商品機材には大まかなケルビン表示がされているので多くの種類の照明機材を使用するとホワイトバランスを丁寧に調整してもしっかりと設定できない場合もあるので注意しましょう。

まとめ

今回はカメラのホワイトバランスの設定方法についてご紹介させていただきましたがご理解いただける内容となっていましたでしょうか?
ホワイトバランスの設定は多くの種類があり、それぞれのメリットについてもご紹介させていただきました。

商品撮影のホワイトバランス設定は基礎中の基礎ですのでしっかりと、設定して撮影するようにしましょう。

またホワイトバランスの設定は難しい場面も多くあり、このような細かい設定を行いながら商品撮影をするには難しい方も多いかと思います。

その場合はこのブツ撮りラボを書かせていただいている物撮り.jpまで商品撮影のご依頼いただけましたら、ホワイトバランスを正しく設定し、背景の統一された商品撮影をお客様に変わって代行させていただきます。
商品を撮影スタジオに送るだけで商品写真が納品されるオンラインサービスですので、お客様のお住まいのエリア関係なく格安の撮影料金にて商品撮影が可能ですので、是非お試しくださいませ。

これからも商品撮影についていろいろな記事を公開させていただきますので、ブツ撮りラボを宜しくお願いいたします。

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