【プロのこだわり】メガネの商品撮影は「写り込み」を制する者が勝つ。撮影テクニックを徹底解説

2022.3.30
【プロのこだわり】メガネの商品撮影は「写り込み」を制する者が勝つ。撮影テクニックを徹底解説

メガネの商品撮影で最も重要なコツは、レンズやフレームへの「写り込み」を完全に消すことではなく、美しくコントロールすることです。

多くの方が反射をなくそうと苦心しますが、プロは逆に意図した光を写り込ませることで、レンズの透明感やフレームの質感を表現します。

これには専用の機材と、光の角度を1mm単位で調整する繊細な技術が不可欠です。

この記事では、弊社のサービス「物撮り.jp」で日々実践している、プロならではのメガネ撮影のこだわりと具体的なテクニックを、撮影カメラマンの篠原が徹底的に解説します。

なぜメガネの商品撮影は難しいのか?

なぜメガネの商品撮影は難しいのか?

ECサイトやカタログで魅力的なメガネ写真を用意することは、売上を大きく左右します。

しかし、メガネは商品撮影の中でも特に難易度が高い商材です。

その理由は、主に以下の3つの要素に集約されます。

  • レンズへの完璧な反射:レンズは鏡のように、カメラ、照明、撮影者、さらには部屋の壁や天井まで、あらゆるものを映し出してしまいます。意図しないものが写り込むと、写真全体が素人っぽくなり、商品の価値を下げてしまいます。
  • フレームの多様な素材と形状:フレームには、光沢のあるメタル、マットな質感のアセテート、複雑な装飾が施されたものなど、様々な素材が使われています。素材の質感を正確に伝えるには、それぞれに適した光の当て方が必要です。一つの照明だけでは、フレームの立体感やディテールが失われがちです。
  • 見えないホコリや指紋との戦い:肉眼では見えない微細なホコリや指紋も、高画質のカメラで撮影すると驚くほどはっきりと写ってしまいます。特にレンズ部分は、撮影前のクリーニングを徹底しないと、後工程のレタッチで膨大な時間とコストがかかる原因となります。

これらの課題をクリアしてこそ、プロ品質のメガネ写真が生まれるのです。

プロカメラマンのこだわり①:光を「面」で捉え、写り込みを操るライティング術

プロカメラマンのこだわり①:光を「面」で捉え、写り込みを操るライティング術

メガネ撮影の成功は、ライティングが9割を占めると言っても過言ではありません。

私たちの「物撮り.jp」では、単に商品を明るく照らすのではなく、「どのような光を、どこに写り込ませるか」を緻密に設計します。

点ではなく「面」で光を当てる

プロが最もこだわるのが、光の質です。

裸のストロボのような小さな光源(点光源)を使うと、レンズに鋭い光の点が写り込み、安っぽい印象を与えてしまいます。

そこで私たち「物撮り.jp」は、非常に大きな「面光源」を作り出します。

具体的には、大型のソフトボックスや、ディフューザー(光を柔らかく拡散させる紗幕やアクリル板)をライトの前に設置します。

これにより、光は柔らかく均一な「光の壁」となり、レンズにはその大きな白い面がなだらかなグラデーションとして美しく写り込みます。

この写り込みがあるからこそ、お客様は「ここに透明なレンズがある」と認識でき、その曲面や質感をリアルに感じ取ることができるのです。

物撮り.jp独自の多灯ライティング

さらに、フレームの質感を表現するため、複数のライトを組み合わせます。

  • メインライト(キーライト):商品の全体像とレンズの写り込みを作るための、最も大きな面光源。
  • サブライト(フィルライト):フレームの側面や下部にできる影を柔らかく起こし、立体感を出すための補助光。
  • アクセントライト:金属パーツの縁などにハイライト(光沢)を入れ、素材の輝きを際立たせるためのスポット的なライト。

例えば、チタンフレームのシャープな質感を表現したい場合、フレームのエッジにだけ細い光が当たるように、黒い板(黒ケント紙など)で光を遮りながら微調整します。

これは数ミリ単位での調整が必要な、非常に根気のいる作業です。

お客様からお預かりした商品の魅力を最大限に引き出すため、私たちはこの工程に一切の妥協をしません。

プロカメラマンのこだわり②:商品の魅力を最大限に引き出すカメラ設定とアングル

プロカメラマンのこだわり②:商品の魅力を最大限に引き出すカメラ設定とアングル

適切なライティングが組めたら、次はカメラ側の設定です。

ここでもプロならではのこだわりがあります。

被写界深度とシャープネスの追求

商品の隅々までピントが合った、シャープな写真を撮ることは基本中の基本です。

  • 絞り(F値)F11F16程度まで絞り込み、被写界深度(ピントが合って見える範囲)を深く設定します。これにより、手前のレンズの縁から奥にあるテンプル(つる)の先端まで、くっきりと描写することが可能です。
  • ISO感度:画質のノイズを最小限に抑えるため、原則として最低感度のISO100に設定します。三脚でカメラを完全に固定しているため、シャッタースピードが遅くなっても問題ありません。
  • ピントの位置:オートフォーカスに頼らず、ライブビューで画像を拡大し、手動で最も重要な部分(例えば、フレームのブランドロゴや特徴的なヒンジ部分)に完璧にピントを合わせます。

歪みをなくし、最も美しく見える角度を探す

メガネを真正面から撮影すると、レンズの度数によっては背景が歪んで見えたり、レンズの中心にカメラ自身が写り込んでしまったりすることがあります。

私たちは、商品を少し斜めに配置し、カメラも少し高い位置から見下ろすような角度(俯瞰)で撮影することが多いです。

これにより、レンズの反射をコントロールしやすくなり、フレームの立体感やテンプルのデザインも美しく見せることができます。

商品の形状や特徴に合わせて、最も魅力が伝わる角度をミリ単位で探求します。

【実践編】物撮り.jp流・メガネ撮影の基本ステップ

【実践編】物撮り.jp流・メガネ撮影の基本ステップ

ここでは、私たちが実際に行っている撮影の基本的な流れをご紹介します。

  1. 徹底したクリーニングまず、専用のクロスとブロワーを使い、商品に付着した指紋やホコリを完璧に除去します。この作業中は、指紋を付けないように必ず手袋を着用します。ここを疎かにすると、後工程のレタッチで何倍もの時間がかかってしまいます。
  2. 商品のセッティング撮影台に商品を配置し、角度を決めます。テンプルが自然に開くように、また、フレームが傾かないように、ミュージアムワックスなどの固定具を使って目立たないように支えます。
  3. メインライトの設置商品の斜め上、あるいは真上から、大きな面光源となるメインライトを設置します。レンズへの写り込みが最も美しくなる位置と角度を探ります。
  4. レフ板による光の調整メインライトだけでは光が回らない部分(フレームの下側など)に、白いレフ板を置いて光を反射させ、明るさを補います。これにより、商品のディテールがより鮮明になります。
  5. テスト撮影と微調整一度撮影し、PCのモニターで拡大して写り込み、ピント、明るさ、ホコリの有無などを厳しくチェックします。問題があれば、ライトの角度や商品の位置を数ミリ動かし、再度撮影。この「撮影→確認→微調整」のサイクルを、完璧な一枚が撮れるまで何度も繰り返します。

撮影だけでは終わらない。プロのレタッチへのこだわり

撮影だけでは終わらない。プロのレタッチへのこだわり

完璧なセッティングで撮影しても、メガネの写真を「商品」として完成させるには、専門的なレタッチ(画像修正)が不可欠です。

微細なホコリの除去:撮影時に取り除けなかった、1ピクセル単位の微細なホコリを、画像編集ソフトで丁寧に消していきます。

写り込みの最終調整:レンズに映った照明の形をより滑らかに整えたり、意図せず映ってしまったカメラのレンズの輪郭などを消したりします。

色と質感の再現:ブランドサイトの色見本と見比べながら、フレームの色を忠実に再現します。また、コントラストを調整して、金属の光沢感やプラスチックのマットな質感をより強調します。

撮影技術とレタッチ技術、その両方が揃って初めて、お客様に満足いただける一枚が完成すると考えています。

まとめ

まとめ

メガネの商品撮影は、単に形を写すのではなく、光をデザインしてレンズの透明感とフレームの質感を表現する奥深い作業です。

プロの現場では、今回ご紹介したような専門的なライティング機材と、長年の経験で培われた緻密な調整技術、そして丁寧なレタッチ作業を駆使しています。

もし、「自社での撮影では限界がある」「もっと商品の魅力を引き出す写真が欲しい」とお考えでしたら、ぜひ私たちプロにお任せください。

「物撮り.jp」では、全国どこからでも商品を送るだけで、プロ品質の写真をご提供します。

1商品からのご依頼も可能で、1カット550円(税込)からというリーズナブルな価格で、撮影からレタッチまで一貫して対応。商品到着から最短3営業日でデータを納品いたします。

まずはお気軽にお問い合わせください。

あなたの商品の価値を最大限に高める一枚を、心を込めて撮影いたします。

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