「金運が逃げる」写真になっていませんか?春財布のゴールド・黄色を“正しく輝かせる”プロのライティング物理学

2026.1.27
「金運が逃げる」写真になっていませんか?春財布のゴールド・黄色を“正しく輝かせる”プロのライティング物理学

こんにちは。株式会社ピックアパートメントの篠原です。

「春財布」シーズン、到来ですね。 「財布が張る(春)」とかけて、この時期に財布を新調すると金運が上がると言われています。 メーカー様にとっても、OEM担当者様にとっても、年間で最も気合が入る商戦ではないでしょうか。

しかし、その気合とは裏腹に、上がってきた写真を見て愕然とする。そんな経験はありませんか? 「もっと高級感のあるゴールドなのに、なんでこんなに茶色いの?」 「このイエロー、もっとビビッドでしょ? なんで濁ってるの?」

もし、その写真をそのままECサイトやカタログに掲載しているとしたら。 厳しい言い方になりますが、それはお客様に「実物よりも価値の低い商品」を見せているのと同じです。

特に「金運」を謳う商品において、色の濁りは致命的です。 きらびやかで、美しく、見ているだけで気分が明るくなるような写真でなければ、誰もその財布にお金を入れたいとは思いません。

今日は、なぜゴールドやイエローの撮影がこれほどまでに難しいのか。そして、私たちプロがどうやってその「輝き」を定着させているのか。現場の技術を物理的な視点から解説します。

ゴールドは「色」ではない。「光と影の映り込み」である

ゴールドは「色」ではない。「光と影の映り込み」である

まず、根本的な認識を変える必要があります。 多くの担当者様が「ゴールドという色」を撮ろうとします。 ですが、写真において「ゴールド」という色は存在しません。

「えっ、どういうこと?」と思われたかもしれません。 絵の具なら金色のチューブがありますが、写真(光)の世界では、ゴールドとは「黄色〜オレンジ色のベース」に「強いハイライト」と「暗い映り込み」が混在した状態を指します。

つまり、のっぺりと全体を明るく照らしただけでは、それは「黄土色」か「ただの黄色」にしか写らないのです。 ゴールドをゴールドたらしめているのは、キラッと光る部分と、グッと暗く沈んだ部分の「コントラスト」です。

くすんで見える最大の原因は、このコントラストが不足していること。 そして、テカって安っぽく見える原因は、光の当て方が雑で、革の質感(シボ感)を潰してしまっていることにあります。

「茶色くくすむ」「安っぽくテカる」の物理的な正体

では、具体的な失敗のメカニズムを紐解いていきましょう。 社内撮影で陥りがちな現象には、明確な物理的理由があります。

なぜ、人間の目とカメラでこれほど色が違うのか

人間の目は非常に優秀です。 薄暗い蛍光灯の下で見ても、夕焼けの中で見ても、「これは黄色い財布だ」と脳内で色を補正して認識します。 しかし、カメラは正直です。 そこにある光の色をそのまま記録します。

例えば、オフィスの蛍光灯の下で撮っていませんか? 一般的な蛍光灯は緑がかった光を出しています。 あるいは、窓からの光と室内の電球を混ぜていませんか? 色温度(光の色味)が違う光源が混ざると、カメラのホワイトバランス機能は混乱し、結果として黄色が濁ったような茶色や、グレーがかった色に変換されてしまいます。

これが「くすみ」の第一の原因です。純粋な白い光を用意できていないのです。

ビニールに見えるのは「光源が小さすぎる」から

次に「テカリ」の問題です。 革財布、特にエナメル加工やスムースレザーの場合、光を強く反射します。 ここで、カメラの真上にある小さなストロボや、クリップ式のLEDライトを使っていませんか?

光源が小さい(点光源)と、反射も小さく鋭くなります。 ピンポイントで「バチッ」と光が当たると、その部分だけが白飛びし、周囲は暗いまま。この極端な明暗差が、革特有のしっとりした質感を消し去り、硬質なビニールやプラスチックのような質感に見せてしまうのです。

高級な革であればあるほど、光の扱いを間違えると安物に成り下がります。 これは商品のせいではありません。ライティングという「演出」の失敗です。

部屋の壁紙や服の色が、財布を濁らせている

意外と見落としがちなのが「環境の映り込み」です。 特にゴールドやエナメル質のイエローなどの光沢素材は、鏡のような性質を持っています。

撮影している部屋の壁がベージュだったり、撮影者の服が青かったりすると、その色が財布の表面にうっすらと映り込みます。 肉眼では気にならなくても、写真になるとその映り込みが色の純度を下げ、「なんとなく汚い色」に見える原因となります。

私たちはこれを「色被り(いろかぶり)」と呼びますが、この微細なノイズが、写真全体のクオリティを著しく低下させているのです。

現場のプロが実践する「金運を呼び込む」撮影セット

現場のプロが実践する「金運を呼び込む」撮影セット

では、どうすればあのカタログのような、リッチで美しい写真が撮れるのでしょうか。 私が現場で実際に組んでいるセットの裏側を、少しだけ公開します。

黒レフで「締め」を作れば、金属光沢は蘇る

先ほど、「ゴールドはコントラストだ」と言いました。 輝きを強調するために必要なのは、実は「強い光」ではなく「黒い影」です。

私はゴールドの財布を撮る際、あえてカメラに写り込まないギリギリの位置に「黒レフ(黒い板)」を配置します。 これを商品の表面に映り込ませるのです。

想像してみてください。金色の折り紙を。 あれがキラキラして見えるのは、周囲の景色が映り込んでいるからです。真っ白い部屋に置いたら、ただの黄色い紙に見えます。 黒い板を映り込ませることで、ゴールドの中に「深い黒」のラインが生まれ、相対的に光っている部分がより輝いて見えます。

これが金属感と重厚感を生み出す「締め」の技術です。

イエローの彩度を残すなら、露出計とカラーチェッカーは必須

イエローの財布も難敵です。 明るく撮ろうとして露出を上げると、すぐに黄色味が飛んで白っぽくなります。逆に暗いと濁ります。 この「適正露出」のストライクゾーンは、実は非常に狭いのです。

私たちは、感覚で明るさを決めません。 単体露出計を使って、財布の表面に当たる光の量を1/10段単位で計測します。 さらに、撮影時には必ず「カラーチェッカー(マクベスチャート)」という、正確な色基準が印刷された板を一緒に写し込みます。

これを現像ソフトで読み込むことで、「この光の条件下での正しいイエロー」を数値的に算出します。 「私のモニターではこう見える」という主観を排除し、データとして正しい色を導き出す。ここまでやって初めて、鮮やかなイエローが再現できるのです。

光の質を変える。トレーシングペーパー越しの「面光源」

テカリを抑えて高級感を出すには、光を「面」にする必要があります。 ライトを直接当てるのではなく、ライトと財布の間に、大きなトレーシングペーパー(アートレ)を垂らします。

ライトの光を一度トレーシングペーパーに透過させることで、光の粒子が拡散され、柔らかく包み込むような光に変わります。 これを「ディフューズ(拡散)」と言います。

光源が「点」から「面」になることで、財布に入るハイライトも滑らかなグラデーションになります。 革のシボ(凹凸)の一つひとつに優しく光が入り、影も柔らかくなる。 こうすることで、手触りの良さまで伝わるような、しっとりとした質感が表現できるのです。

「色合わせ」という終わりのない迷宮を社内で彷徨うリスク

「色合わせ」という終わりのない迷宮を社内で彷徨うリスク

ここまで読んで、「理屈はわかった。自社でやってみよう」と思われたでしょうか? 少し待ってください。ここには大きな経営的リスクが潜んでいます。

それは、「色の正解合わせ」にかかる膨大なコストです。

撮影した画像を、どのモニターで確認しますか? 撮影担当者のノートPC、上司のデスクトップ、営業担当のスマホ。 おそらく、全員が見ている色はバラバラです。 「もっと黄色くして」「いや、これだと赤すぎる」「私のスマホだと茶色いよ」

社内に、キャリブレーション(色の調整)がされた正確なモニター環境はありますか? もしなければ、この議論は永遠に終わりません。 修正しては確認し、また修正する。その間、本来やるべきマーケティングや営業活動はストップします。

プロに依頼するということは、単に撮影を代行するだけでなく、「色の基準(スタンダード)」を買うということでもあります。 標準光源下で正確に管理された色を提供することで、社内の不毛な議論を断ち切り、自信を持って市場に出せるクリエイティブを最短距離で手に入れることができるのです。

目的別:最適な撮影サービスの選び方

目的別:最適な撮影サービスの選び方

弊社では、お客様の課題に合わせて、2つの異なるアプローチでの撮影サービスを提供しています。 どちらも私が責任を持って監修していますが、用途によって使い分けていただくのがベストです。

【物撮り.jp】正確な色味でクレームを防ぐ

【物撮り.jp】正確な色味でクレームを防ぐ

ECサイトの商品ページ詳細や、カタログのスペック表として使うなら、「物撮り.jp」をご利用ください。

  • 特徴: 白背景などのシンプルな背景で、商品の色・形・質感を極めて忠実に再現します。
  • 色の再現性: 先ほどお話ししたカラーマネジメントを徹底しています。「届いた商品と色が違う」というお客様からのクレームを未然に防ぎます。
  • 大量撮影: カラーバリエーションが多い財布でも、均質なクオリティでスピーディーに撮影します。
  • コスト効率: 徹底したワークフローの効率化により、高品質ながら依頼しやすい価格を実現しています。

「まずは商品を正しく見せたい」「お客様に嘘をつきたくない」という誠実なメーカー様に最適な選択肢です。

【フォトル】「豊かさ」というイメージを視覚化する

【フォトル】「豊かさ」というイメージを視覚化する

一方で、ブランドのトップページやSNS、特集記事で「金運が上がりそう!」「素敵!」と思わせたいなら、「フォトル」の出番です。

  • 特徴: スタイリングやシーン作り込みに特化したクリエイティブ撮影です。
  • 世界観の演出: 高級感のある大理石の背景や、華やかな生花、あるいはカフェのテーブルなど、その財布を持つ人が過ごす「豊かな時間」を演出します。
  • 人物の気配: 手のパーツタレントなどを起用し、財布を開く仕草や、バッグから取り出す瞬間を切り取ります。サイズ感や革の柔らかさが直感的に伝わります。
  • 訴求力: ただの「物」ではなく「憧れ」として商品を提示することで、購買意欲を強く刺激します。

「ブランドイメージを一新したい」「SNSでの反応を変えたい」という場合は、こちらが強力な武器になります。

まとめ

春財布商戦において、写真は商品そのものと同じくらい重要です。 特にゴールドやイエローといった色は、少しの光のズレで「安物」にも「宝物」にも変わってしまいます。

  • ゴールドは反射で作る: 黒レフによる「締め」とコントラストが輝きの命。
  • 環境光を排除する: 蛍光灯や部屋の色被りは厳禁。純粋な光だけを扱う。
  • 面光源で包む: 点光源はテカリの元。トレーシングペーパーで光を柔らかくする。

これらをすべて自社でコントロールし、色合わせの議論に時間を費やすのは、果たして合理的でしょうか? 色の悩みはプロに預けて、皆様には「どう売るか」「次はどんな商品を作るか」という、未来をつくる仕事に専念していただきたいのです。

正確な商品写真は「物撮り.jp」で。 心動かすイメージ写真は「フォトル」で。

あなたの財布が持つ本来の「金運」と「魅力」を、私たちが責任を持って引き出します。 まずは、色の悩みだけでも構いません。お気軽にご相談ください。

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