【プロカメラマンの技】ジャケットの商品撮影で売上が変わる5つの重要ポイント

2022.3.5
【プロカメラマンの技】ジャケットの商品撮影で売上が変わる5つの重要ポイント

ジャケットの商品撮影、最重要点は「質感とフォルム」の表現力

ジャケットの商品撮影、最重要点は「質感とフォルム」の表現力

ECサイトでジャケットの売上を左右する商品写真。その成否を分ける最も重要なポイントは、「素材の持つ質感」と「服が持つ立体的なフォルム」をいかに正確に伝えられるかにあります。

これを実現するプロの技は、商品を斜め45度からの「半逆光」で照らし生地のディテールを浮かび上がらせ、同時に見えない部分に詰め物をしてシワと形を整えるという「見えない一手間」に集約されます。

この記事では、商品撮影専門サービス「物撮り.jp」を運営するプロカメラマンの視点から、なぜこの2点が重要なのか、そしてあなたのジャケットを魅力的に見せるための具体的な5つの撮影ポイントを、失敗談も交えながら徹底的に解説します。

なぜジャケットの商品撮影は難しいのか?プロが直面する3つの壁

なぜジャケットの商品撮影は難しいのか?プロが直面する3つの壁

一見シンプルに見えるジャケットですが、実は商品撮影においては非常に難易度の高い商材の一つです。

私たち「物撮り.jp」にも、お客様から「自分で撮ると、どうしてものっぺりしてしまう」「生地の良さが伝わらない」といったご相談が頻繁に寄せられます。

プロが撮影する際に特に注意を払う、ジャケット特有の難しさは以下の3点です。

  • 素材感の表現が難しい:ツイードの凹凸、レザーの光沢、ウールの温かみ、ナイロンのシャリ感など、ジャケットの価値を大きく左右する素材感は、正面からのフラットな光では簡単に消え去ってしまいます。特に光沢の強いレザージャケットを強い光で撮影し、テカテカした安っぽいビニールのように見せてしまったのは、多くのカメラマンが通る失敗の一つです。
  • 色が正確に再現できない:特に黒や紺、チャコールグレーといったダークカラーのジャケットは、カメラが自動で明るくしようとするため、色が白っぽく写ってしまったり、逆にディテールが潰れてただの黒い塊(黒潰れ)になったりしがちです。これでは、ステッチやボタンホールといった細部のデザインが全く伝わりません。
  • 平置きだと魅力が半減する:ジャケットは人体が着用することを前提に、立体的に裁断・縫製されています。そのため、ただ床に置いて撮影しただけでは、不自然なシワが寄ったり、本来の美しいシルエットが崩れたりして、商品の持つ魅力を伝えることができません。

これらの課題を乗り越えてこそ、お客様が「これを着てみたい」と感じる魅力的な写真が生まれるのです。

【プロカメラマンの技】ジャケットの魅力を引き出す5つの撮影ポイント

【プロカメラマンの技】ジャケットの魅力を引き出す5つの撮影ポイント

それでは、具体的な撮影のポイントを5つに絞って解説します。

ご自身の撮影でもすぐに取り入れられるテクニックから、プロならではの考え方まで、幅広くご紹介します。

ポイント1:ライティングは「半逆光」で素材感を炙り出す

商品の質感を表現するために最も重要なのがライティングです。

プロは複数のライトを組み合わせて理想の光を作りますが、その基本となる考え方が「半逆光」です。

半逆光とは?

商品の斜め後ろ45度あたりからメインの光を当てる方法です。

なぜ効果的なのか?

斜め後ろからの光は、生地の織り目や表面の凹凸に繊細な陰影を作り出します。

この陰影こそが、写真に立体感と深みを与え、ウールの暖かみやリネンの清涼感といった「手触り」を視覚的に伝える鍵となります。

正面からの光(順光)では全てが明るくなり、のっぺりとした印象になってしまうため、私たちはほとんど使いません。

私たち「物撮り.jp」では、大きなソフトボックス(光を柔らかくする機材)を使ってこの半逆光を作り、反対側からレフ板(光を反射させる板)で影の部分をほんのり明るくすることで、質感を際立たせつつも柔らかい印象に仕上げています。

ポイント2:「見えない一手間」がフォルムを美しく見せる

プロの写真とそうでない写真の決定的な差は、この「見えない一手間」にあると言っても過言ではありません。

  • 平置き撮影の場合:ただ置くのではなく、袖や胴体部分に薄紙やタオルを丸めて筒状にしたものを入れ込み、ふっくらとした立体感を出します。肩のラインが綺麗に見えるように、またウエストが少しシェイプするように、裏側からクリップやテープで形を微調整することも頻繁に行います。
  • トルソー・モデル撮影の場合:サイズが合わない場合は、背中側などをクリップで留めて体にフィットさせ、美しいシルエットを演出します。ポケットに手を入れるポーズなら、袖に自然なシワが寄るように形を整えます。

この一手間が、まるで人が実際に着用しているかのような生命感を写真に与え、お客様が着用した姿をイメージしやすくするのです。

ポイント3:黒や紺は「やや明るめ」に撮ってレタッチで締める

ダークカラーのジャケットで起こりがちな「黒潰れ」。これを防ぐには、撮影段階での工夫が不可欠です。

プロのテクニックは「露出補正で少しだけ明るく撮っておき、後からレタッチ(画像編集)で黒を締める」というものです。

  • 撮影段階: カメラの露出補正機能をプラス(+0.3〜+0.7程度)に設定し、シャッターを切ります。これにより、黒い部分のディテール(縫い目や生地の織り目)が潰れずにデータとして記録されます。
  • 編集段階: パソコンの編集ソフトで、黒レベルやコントラストを調整し、ディテールは保ったまま、深みと高級感のある「締まった黒」を再現します。

最初から真っ黒に潰して撮ってしまうと、失われたディテールは二度と戻ってきません。これは非常に重要な専門的ノウハウです。

ポイント4:お客様の不安を解消する「ディテールカット」を必ず押さえる

ECサイトで商品を買うとき、お客様は実物を手に取ることができません。

その不安を解消するのが、商品の細部を見せるディテールカットです。

以下のカットは最低限用意することをお勧めします。

  • 襟の形やラペルのデザインがわかるカット
  • ボタンやジッパーなど、付属品のアップ
  • 生地の質感が伝わる、素材のアップ
  • 袖口やポケット周りの仕様がわかるカット
  • ブランドタグや品質表示タグ

「物撮り.jp」の標準プランが1商品4カットからとなっているのも、こうした「全体像+お客様の知りたいディテール」を網羅するためです。

これらの写真があることで、お客様は商品をより深く理解し、安心して購入ボタンを押すことができます。

ポイント5:背景は「完全な白」で商品を主役にする

Amazonや楽天などの大手モールでは白背景が推奨されていますが、これには明確な理由があります。

背景に余計な情報がない「完全な白背景(通称:白ホリ)」は、見る人の視線をジャケットそのものに集中させ、商品の魅力を最大限に引き立てます。

自宅の白い壁で撮影しても、影が落ちたり、壁の質感が写り込んだりして、意外と「完全な白」にはなりません。

プロは、商品用のライトとは別に背景専用のライトを当てて影を消したり、撮影後に丁寧に商品を切り抜くレタッチ作業を行うことで、ノイズのないクリアな白背景を実現します。

これにより、どんなウェブサイトにも馴染み、商品だけが際立つ高品質な写真が完成するのです。

まとめ:売れるジャケットの商品写真は、単なる記録ではなく「情報」である

まとめ:売れるジャケットの商品写真は、単なる記録ではなく「情報」である

優れた商品写真は、ただ商品を綺麗に写すだけではありません。

素材の感触、美しいシルエット、細部へのこだわりといった、お客様が購入を決めるために必要な「情報」を視覚的に伝えるためのツールです。

今回ご紹介した5つのポイントは、その情報を正確に伝えるためのプロの技術です。

  1. 半逆光で素材感を出す
  2. 見えない一手間でフォルムを整える
  3. ダークカラーは明るめに撮ってレタッチする
  4. ディテールカットで不安を解消する
  5. 完全な白背景で商品を際立たせる

これらのポイントをご自身で実践するには、多くの時間と専門機材、そして経験が必要です。

もし、より手軽に、かつ確実に売上につながるジャケット写真を必要とされているなら、ぜひ私たち「物撮り.jp」にご相談ください。

全国どこからでも郵送で依頼でき、1商品からプロの技をご提供します。

皆様の商品が持つ本来の価値を、写真の力で最大限に引き出すお手伝いをいたします。

商品1点からでも撮影します

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