【入園入学グッズ】「温かみ」ある写真を撮るなら太陽に頼るな。プロが教える、3月商戦を勝ち抜くための撮影戦略と外注の境界線
目次
こんにちは、株式会社ピックアパートメントの篠原です。
3月の入園・入学シーズンに向けて、ミシンを踏み続けている作家さん、あるいは新作の子供服やグッズのプロモーション準備に追われている担当者の皆さん。 商品の準備は完璧なのに、写真撮影で手が止まっていませんか?
特にレッスンバッグやシューズケース、体操服入れといった「布もの」は、ただ置いただけではペラペラに見えてしまい、魅力が半減してしまいます。 読者の方からよく聞くのは、「子供が使っているような、優しくて温かい雰囲気の写真が撮りたい」という声。
しかし、いざ自宅や社内の一角でカメラを構えると、なぜか暗い、色が変、あるいは生活感が出すぎて「古着」のように見えてしまう。
実はこれ、センスの問題ではありません。純粋な「光学」と「物理」の問題です。
今日は、ご自身でクオリティを上げるための具体的な処方箋と、私たちが現場でどうやってその「空気感」を作っているのか、裏側をお話しします。
入園入学グッズの「温かみ」を消してしまう正体

まず、皆さんが陥りがちな失敗の原因をはっきりさせましょう。 「温かみのある写真」=「窓辺で撮る」だと思っていませんか?
実はこれ、逆なんです。
窓からの光は「暴れ馬」。コントロールできない光の罠
太陽の光は素晴らしいですが、商品撮影においては非常に扱いにくい光源です。 雲が一つ通るだけで光量は変わり、時間帯によって色温度(光の色味)は青からオレンジへと刻一刻と変化します。
朝10時に撮ったレッスンバッグと、11時に撮ったシューズケースで、生地の色が違って見える。 これでは、セット購入を検討している親御さんは不安になります。「本当は何色なの?」と。
プロが撮る「温かい写真」は、太陽光を使っているように見せて、実は照明機材で「太陽光風の光」を緻密に作っていることがほとんどです。 常に一定の光量と色味をキープできなければ、統一感のあるカタログは作れません。
大人の目線で撮っていませんか?「子供の視界」を作る重要性
もう一つの失敗要因は「カメラの高さ」です。 大人が立ったまま、床やテーブルに置いた商品を上から見下ろして撮る。これ、一番やってはいけないアングルです。
なぜなら、それは「親が片付ける時の視点」だからです。 入園・入学グッズにおいて表現すべきは、「お子様がそれを持って、ワクワクして登園する姿」ですよね。
子供の身長は100cm〜120cm程度。 カメラの位置は、大人の腰よりも下。なんなら床スレスレから煽るくらいでちょうど良いのです。 視点を下げるだけで、商品は堂々として見え、そこに「子供が存在する気配」が生まれます。
自宅撮影を「プロ級」に見せる具体的機材とセッティング

では、具体的にどうすれば良いのか。 「高いカメラを買ってください」とは言いません。スマホや今ある一眼レフで十分です。 その代わり、光の質を変えるアクセサリーにお金をかけてください。
ディフューザー2枚重ねで作る「疑似的な曇り空」
「温かみ」の正体は、影の柔らかさです。 直射日光や裸電球のような強い光は、くっきりとした黒い影(ハードシャドウ)を作ります。これはクールで硬い印象を与えてしまいます。
欲しいのは、窓越しのレースカーテンを通したような、ふわっとした光。
これを人工的に作るには、照明(LEDライトやストロボ)の前に、トレーシングペーパー(トレペ)やディフューザー(散光幕)を「2枚」噛ませてください。
1枚ではありません。2枚です。 光源 → トレペ(1枚目) → 空間 → トレペ(2枚目) → 商品 というふうに、光の幕を何層も作るのです。
こうすることで、光源の面積が擬似的に大きくなり、商品全体を包み込むような柔らかい光になります。 これが、プロが作る「優しい光」のレシピです。
アイロン掛けだけじゃない。生地の「張り」を作る詰め物の技術
バッグを平置きして撮影する場合、ただ置くだけではシワが寄り、クタッとして見えます。 ここで必要なのは「アンコ(詰め物)」です。
私たちはよく、薄葉紙(うすようし)や気泡緩衝材(プチプチ)を使いますが、ご自宅ならバスタオルでも構いません。 パンパンに詰めるのではなく、「7分目」くらいに入れるのがコツ。
そして、持ち手の部分。ここがペタンと寝ていると悲しい感じになります。 テグス(透明な釣り糸)で上から吊るか、あるいは硬めの針金を中に仕込んで、ふんわりとアーチを描くように整形してください。
この「重力に逆らう少しの工夫」が、写真に生命力を吹き込みます。
色温度は5500K固定。後編集を減らす「撮って出し」の極意
「写真が黄色っぽくなる」「青っぽくなる」という悩み。 これはカメラのホワイトバランス設定を「オート」にしているからです。
照明を使って撮影する場合、カメラのケルビン設定(K)を5000K〜5500K(昼白色)に固定してください。 これは太陽の光に最も近い色温度です。
部屋のシーリングライト(蛍光灯など)は必ず消してください。 色が混ざる(ミックス光)と、どんなにPhotoshopが得意な人でも修正は困難です。
「部屋の電気を消し、撮影用の照明1灯だけで撮る」。これが鉄則です。
「雰囲気」と「詳細」は別物。親御さんがチェックする2つの視点

撮影テクニックと同様に大事なのが、「何を撮るか」という構成です。 入園入学グッズを探している親御さんは、2つの異なる視点を行き来しています。
イメージカット:子供が使っている未来を想像させる
1つ目は「情緒」です。 「うちの子がこのバッグを持ったら可愛いだろうな」というワクワク感。
これを演出するには、背景を作り込む必要があります。
例えば、木目のフローリング(ホームセンターのリメイクシートでOK)の上に商品を置き、脇に色鉛筆や上履きを少し見切れるように配置する。 ピントは商品に合わせ、背景はF値を小さくして(F2.8〜F4など)ボカす。
これにより、商品が主役になりつつ、入学後の楽しい生活を連想させることができます。
スペックカット:縫製の強度と素材感を伝える
2つ目は「実利」です。 「すぐに破れないか?」「洗濯しても大丈夫か?」「裏地はあるか?」というシビアなチェックです。
ここでは、雰囲気やボケは邪魔になります。 白背景や無地の背景で、影を極力消し、F値を絞って(F8〜F11)、商品の隅々までピントを合わせます。 特に、持ち手の付け根(力がかかる部分)のアップや、裏地の縫製、名前タグの位置などは、必ず撮影してください。
親御さんは、デザインで惹かれ、スペックで納得して購入ボタンを押します。 どちらが欠けても売れません。
繁忙期、その撮影時間は本当に合理的ですか?

ここまで、ご自身で撮るためのノウハウをお伝えしました。 「なるほど、これならできそうだ」と思った方もいるでしょう。 しかし、ここで一度立ち止まって考えてみてください。
その撮影に、何時間かかりますか?
機材をセットし、アイロンを掛け、詰め物をし、光を調整し、撮影し、PCに取り込んで色味を補正する。 慣れない作業だと、1商品の撮影に平気で1〜2時間は溶けていきます。 5商品あれば10時間。丸一日です。
その時間があれば、ミシンを動かして商品をあと何個作れたでしょうか? あるいは、新しいデザインの構想を練る時間に充てられたのではないでしょうか?
「自分で撮ればタダ」というのは間違いです。 あなたの時間は、タダではありません。 経営的な視点で見れば、不得意な撮影作業に時間を奪われ、本業である「制作・販売」の時間が削られるのは、大きな機会損失です。
ここで、我々のようなプロに任せるという選択肢が出てきます。 用途に合わせて、2つのサービスをご紹介します。
【フォトル】ブランドの世界観とスタイリングを完璧に作り込む

もしあなたが、 「ブランドの世界観をしっかり伝えたい」 「SNSでパッと目を引く、雑誌のような写真が欲しい」 「お子様(人物)入りの写真で、実際のサイズ感を伝えたい」 と考えているなら、「フォトル」が最適です。
フォトルでは、経験豊富なカメラマンとスタイリストがチームを組み、あなたのブランドイメージに合わせたセットを組みます。 スタジオで、適切なライティングと小道具を使い、まるで物語のワンシーンのような写真を撮影します。
特に人物撮影は、お子様の機嫌を取りながらの一発勝負。 これを自前でやるのは至難の業です。
フォトルなら、モデルの手配からコーディネートまでワンストップ。 あなたが作りたかった「温かみのある世界」を、私たちが完全な形で写真にします。 「これはプロにしか撮れない」と一目でわかるクオリティは、ブランドの信頼性を一気に引き上げます。
【物撮り.jp】圧倒的な量とスピードで「信頼」を可視化する

一方で、 「とにかく商品数が多い(色柄違いがたくさんある)」 「ECモール(Amazonや楽天)用に、白背景のきれいな写真が必要」 「コストを抑えつつ、縫製の良さや生地の質感を正確に伝えたい」 という場合は、「物撮り.jp」をご利用ください。
こちらは「カタログスペック」を伝えることに特化したサービスです。 1カットあたりの単価を抑えつつ、プロの機材と技術で、色ズレのない、歪みのない、高精細な商品写真を撮影します。
先ほどお話しした「縫製のアップ」や「生地の質感」も、マクロレンズを使って鮮明に描写します。 あなたが丁寧に縫い上げたそのステッチの美しさを、正確に顧客に届ける役割です。
商品を箱に詰めて送るだけ。あとは私たちが撮影し、データで納品します。 その間、あなたは制作に没頭できます。
まとめ
入園入学グッズの撮影において重要なポイントを整理します。
- 光のコントロール: 窓からの光は不安定。照明+ディフューザー2枚で「一定の柔らかな光」を作る。
- アングル: 大人の目線ではなく、子供の視界(低い位置)から撮る。
- スタイリング: 詰め物で立体感を出し、テグスなどで持ち手を立たせる。
- 2つの視点: 「情緒的なイメージカット」と「正確なスペックカット」の両方が必要。
- 経営判断: 撮影にかかる時間と労力を計算し、プロに任せることで「制作時間」を確保する。
写真は、あなたが心を込めて作った商品を、お客様に届けるための「手紙」のようなものです。 その手紙が、暗かったり読みづらかったりしては、想いは伝わりません。
ご自身でこだわって撮るのも素晴らしいことです。 ですが、もしその作業が負担になっているなら、ぜひ私たちを頼ってください。 あなたの作る素敵なグッズが、一人でも多くの子供たちの手に渡るよう、私たちは「撮影」という技術で全力でサポートします。
「フォトル」で世界観を作るか、「物撮り.jp」で品質を証明するか。 あなたのビジネススタイルに合わせて、使い分けてみてくださいね。
いつでもお気軽にご相談ください。

