なぜ、あなたの撮る「ラメ」は輝かないのか

2026.1.14
なぜ、あなたの撮る「ラメ」は輝かないのか

春の新作コスメ、特にアイシャドウやリップグロスに含まれる繊細なラメやパール。 これをスマホや社内の一眼レフで撮ってみて、愕然としたことはありませんか? 肉眼で見ればダイヤモンドのように輝いているのに、モニターに映し出された画像では、まるで「黒い砂」や「ノイズ」のように沈んでしまっている。

「カメラの性能が足りないからだ」 そう思って高いレンズを買おうとしているなら、ちょっと待ってください。原因はそこじゃありません。

「柔らかい光」が質感を殺す物理的理由

「柔らかい光」が質感を殺す物理的理由

皆さんが商品をきれいに撮ろうとするとき、無意識にやってしまうのが「光を柔らかくする」ことです。 大きな白い布(ディフューザー)を通したり、白い壁に光を反射させたりして、影のないふんわりした写真を目指しますよね。

実は、これがラメを殺す主犯です。

ラメやパールというのは、微細な鏡の集合体だと考えてください。 鏡は、強い光が当たって初めて「反射」として輝きます。 そこに、全体を包み込むような柔らかい光(拡散光)を当てるとどうなるか。 光のメリハリがなくなり、微細な鏡の表面全体がぼんやりと白く浮くだけになってしまう。結果、キラッとした鋭い輝き(スペキュラー)が消失し、ただの粉っぽい物質として写るのです。

私たちが現場でラメを撮るときは、真逆のことをします。 ディフューザーを外し、ハニカムグリッドという黒い蜂の巣状のアクセサリーをライトに装着します。これで光の直進性を高め、ピンポイントで「硬い光」を当てるのです。

キラキラの正体は「正反射」のコントロールにある

もう少し光学的な話をしましょう。 被写体の表面で光が反射する角度にはルールがあります。「入射角=反射角」。 ラメを光らせるには、カメラレンズの対角線上の位置から、鋭い光を撃ち込む必要があります。

しかし、ただライトを置けばいいわけではありません。 ラメの粒子は多面的です。メインのライトで全体の形を出しつつ、ラメ専用の小さなスポットライト(アクセントライト)を数ミリ単位で動かし、「カメラのレンズに正反射して飛び込んでくる光」を探す作業が必要です。

正直、これはライティングの知識があっても、数センチずれるだけで輝きが消えるシビアな世界です。 社内の会議室で、天井の蛍光灯や窓からの光だけでこれを再現しようとするのは、物理的に不可能に近いと言わざるを得ません。

「シズル感」と「色再現」のパラドックス

「シズル感」と「色再現」のパラドックス

次に、リップやリキッドファンデーションの「テクスチャ(瑞々しさ)」の話をしましょう。 ここでも、多くの担当者様が壁にぶつかります。

「ツヤを出そうとすると色が白飛びする」 「色を正確に出そうとすると、今度はマットで乾燥して見える」

このジレンマ、非常に厄介ですよね。

瑞々しさを出すための「硬い光」の点打ち

液体特有の「トロッとした感じ」や「ウルウル感」。 これも専門用語でいう「ハイライト(明部)」と「シャドウ(暗部)」のコントラストによって人間の脳が認識するものです。

全体に均一に光が当たっていると、液体の表面の凹凸が見えなくなります。 ここでも必要なのは、やはり「計算された硬い光」です。

私の場合、液体の表面張力で盛り上がった一番高い位置に、あえて小さな「白飛び」を作ります。 トレーシングペーパー越しにライトを当てるのではなく、鏡や銀色のレフ板を使って、光源の形をくっきりと液体に映り込ませるのです。 この「意図的な反射」があることで、初めて見ている人は「あ、これは濡れているんだ」と脳内で変換してくれます。

ただし、やりすぎれば商品そのものの色が見えなくなる。 だからこそ、ベースとなる全体光(地明かり)と、ツヤを作るためのエフェクト光の光量比率を、露出計を使って「1:3」や「1:4」といった適正値に管理する必要があります。 感覚でやっていると、毎回仕上がりがバラバラになり、カタログに並べたときに違和感だらけになります。

「実物と色が違う」クレームを回避するカラーマネジメント

D2Cブランドにとって、もっとも恐ろしいのが「届いた商品と写真の色が違う」というクレームによる返品でしょう。 特に化粧品において、ニュアンスカラーのズレは致命的です。

「モニターで見たら可愛いピンクだったのに、届いたら茶色っぽかった」 これはなぜ起きるのか。

撮影環境の色温度(ケルビン)が管理されていないからです。 オフィスの照明は緑被りしていたり、窓からの光は時間帯によって青くなったり赤くなったりします。そんな不安定な光の下で、オートホワイトバランスで撮影していれば、色は絶対に合いません。

私たちは、撮影前に必ず「カラーチェッカー(マクベスチャート)」という、厳密な色の基準となる板を写し込みます。 そして、現像ソフト上でその数値を基準に補正を行います。 さらに言えば、その画像を編集するモニター自体も、定期的にキャリブレーション(色調整)されたプロ用機材を使わなければ意味がありません。

一般的なノートPCの画面は、青みが強く、彩度が高く表示される傾向があります。 「自分のPCでは綺麗に見えた」というのは、残念ながら何の基準にもならないのです。

自社撮影の限界と「見えないコスト」

自社撮影の限界と「見えないコスト」

ここまで読んで、「なるほど、じゃあその機材を揃えればいいんだな」と思われたでしょうか。 確かに、機材さえ買えば物理的な条件は整います。 しかし、ここには経営的な落とし穴があります。

機材代だけではない、習得にかかる膨大な時間

プロ仕様のストロボ、色を正確に再現する高演色LED、グリッド、スタンド、そしてキャリブレーション対応のモニター。 これらを一通り揃えるだけで、数十万円から百万単位の出費になります。

しかし、本当のコストはそこではありません。 その機材を使いこなし、ラメの一粒一粒をコントロールできるようになるまでの「習熟コスト」です。

私が新人の頃、リップ一本のテクスチャを完璧に出すために、朝から晩までライティングを組み直す日々が続きました。 光の理屈を頭で理解していても、それを現場で数ミリ単位で調整し、再現性のある形に落とし込むには、膨大な試行錯誤の経験値が必要です。

御社の担当者様が、本来やるべきマーケティングや商品企画の時間を削ってまで、この「職人芸」を習得するのは、果たして合理的でしょうか?

クレーム対応という最大のリスクヘッジ

もう一つ忘れてはならないのが、品質の担保です。 もし、自社撮影の写真が原因で「色が違う」という口コミが広まったらどうなるでしょう。 ブランドイメージの毀損は、目先の撮影費をケチった金額を遥かに上回る損失となります。

プロに依頼するということは、単にきれいな写真を買うことではありません。 「色の正確性」と「質感の再現性」に対する保険をかけることと同義です。 私たちカメラマンは、その責任を背負ってシャッターを切っています。

経営判断として「プロに投げる」が正解な理由

経営判断として「プロに投げる」が正解な理由

「でも、毎回プロに頼むと予算が……」 そう思う気持ちもわかります。だからこそ、目的別に賢く使い分けてください。 弊社では、お客様のニーズに合わせて明確に2つのサービスを用意しています。

【物撮り.jp】カタログ・ECスペックの「正解」を量産する

【物撮り.jp】カタログ・ECスペックの「正解」を量産する

Amazonや楽天、自社ECの商品ページにおいて、お客様が求めているのは「正確な情報」です。 この色が本当に肌に合うのか、テクスチャは硬いのか柔らかいのか。

そうした「スペック重視」の撮影なら、「物撮り.jp」 を選んでください。

私たちは、長年の経験から「コスメが最も美しく、かつ正確に見えるライティング」を完全にマニュアル化・システム化しています。 背景を白に飛ばしつつ、商品の輪郭をくっきりと出し、色はカラーチャートに基づいて忠実に再現する。 この工程を効率化しているため、「高品質な写真を、驚くほどスピーディーに、低コストで」提供することが可能です。

「とにかく大量の商品を、ミスなく、カタログとして恥ずかしくないクオリティで掲載したい」 そう考えるなら、迷わずこちらにご相談ください。自社で機材を揃えて悩むより、圧倒的に安上がりだと断言できます。

【フォトル】ブランドの世界観と「空気」を写し撮る

【フォトル】ブランドの世界観と「空気」を写し撮る

一方で、Instagramのフィード投稿や、LPのトップ画像など、「一瞬で心を掴む」写真が必要な場合。 ここでは、単なる色の正確さ以上に、ブランドが纏う「空気感」や「ストーリー」が重要になります。

そういう時は、「フォトル」 にお任せください。

こちらは、商品の背景に置く小物(プロップス)の選定から、光の陰影による演出まで、クリエイティブな提案を含んだサービスです。 例えば、「春の木漏れ日の中でメイクをしているような高揚感」や「夜のデート前のドキドキする感じ」といった抽象的なイメージを、具体的なビジュアルへと変換します。

コスメのテクスチャ撮影においても、単に写すだけでなく、とろけるような粘度を強調するスタイリングや、高級感を演出する背景素材の組み合わせなど、「買いたくなる理由」を視覚的に作り込みます。

【まとめ】

  • ラメが光らない原因: 柔らかい光(拡散光)ではなく、硬い光(直射光)と角度の調整が必要。
  • 色が合わない原因: 撮影環境の照明(色温度)の不一致と、モニターのキャリブレーション不足。
  • 自社撮影のリスク: 機材コスト以上に、技術習得の時間と「色違いクレーム」によるブランド毀損が大きい。
  • 賢い使い分け:正確さ・量・スピード・コスト重視なら 「物撮り.jp」、ブランドイメージ・世界観・演出重視なら 「フォトル」

写真は、お客様が商品を手に取る前の唯一の判断材料です。 そこに妥協することは、商品の魅力を半分捨てているのと同じこと。

春の新作コスメ、その本当の輝きを、私たちと一緒に伝えませんか? まずは、「今の写真の何が不満か」だけでも構いません。プロの視点で診断させていただきます。

商品1点からでも撮影します

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