【プロ直伝】スカートのシルエットを最大限に活かす商品撮影方法|売上が変わる5つのコツ
目次
ECサイトでスカートの売上が伸び悩んでいる場合、その原因は商品写真にあるかもしれません。
スカートの魅力を伝える最も重要な要素は「シルエット」です。
そのシルエットを美しく見せるための最も簡単で効果的な方法は、スカートを立体的に「トルソー」に着せ、光を「真横、もしくは少し後ろ」から当てることです。
これにより、スカートが持つ本来のドレープや質感が引き立ち、平面的で魅力の伝わらない写真から脱却できます。
この記事では、商品撮影専門サービス「物撮り.jp」を運営するプロカメラマンの私が、数々のアパレル商品を撮影してきた経験に基づき、スカートのシルエットを最大限に引き出し、売上アップに繋げるための具体的な撮影方法を5つのステップで徹底解説します。
なぜスカートの商品撮影で「シルエット」が最重要なのか?

スカートというアイテムの価値は、そのデザイン、つまり「シルエット」に集約されています。
Aラインの優雅な広がり、タイトスカートの洗練されたライン、プリーツスカートの繊細な揺れ動きなど、それぞれのスカートが持つ独自の形状こそが、お客様の購買意欲を刺激する最大のポイントです。
しかし、このシルエットを商品写真で正しく伝えられていないケースが非常に多く見られます。
以前、私たち「物撮り.jp」にご依頼いただいたアパレルブランド様で、非常にデザイン性の高いフレアスカートの売れ行きが芳しくないというご相談がありました。
拝見した写真は、床に商品を置いて真上から撮影する「平置き」でした。
これでは、せっかくの美しいドレープが表現されず、ただの台形の布にしか見えません。
そこで私たちが、トルソーを使ってスカートの自然な広がりとドレープ感を表現し、サイドからのライティングで生地の質感を際立たせる撮影を行ったところ、写真の差し替え後、その商品の売上が3倍以上に伸びたのです。
この経験からも、スカートの商品写真において、いかにシルエットを正しく伝えることが重要かをお分かりいただけるかと思います。
スカートの美しいシルエットを引き出す商品撮影の5つのステップ

ここからは、誰でも実践できる、スカートのシルエットを美しく撮影するための具体的な5つのステップをご紹介します。
ステップ1:「平置き」ではなく「トルソー」で立体感を出す
まず最も重要なのが、スカートの形状を正しく見せるためのセッティングです。
平置き撮影の限界
ECサイトでよく見かける「平置き」撮影は、Tシャツなどのシンプルな形状のアイテムには有効ですが、スカートには不向きです。
重力で生地が潰れ、本来のドレープやボリューム感が完全に失われてしまいます。
これでは、お客様は着用した際のイメージを全く掴むことができません。
トルソー撮影がベストな理由
スカートの撮影には、必ず「トルソー(ボディ)」を使用してください。高価な全身マネキンである必要はありません。
ウエストから太ももあたりまでを再現した安価なトルソーでも、効果は絶大です。
- ウエストラインが綺麗に見える:着用時と同じようにウエスト部分が固定され、そこからの広がりが自然に表現できます。
- ドレープが生まれる:生地が自然に垂れ下がることで、そのスカートが持つ本来の美しいドレープ(ひだ)が生まれます。
- 全体の形状が一目瞭然:Aライン、マーメイドライン、タイトなど、スカートの全体像が直感的に伝わります。
ステップ2:「サイド光」で陰影を作り、質感を表現する
次に重要なのがライティングです。光の当て方一つで、写真のクオリティは劇的に変わります。
正面からの光がNGな理由
スマートフォンのライトや、カメラに内蔵されたフラッシュなど、被写体の正面から光を当てるのは絶対に避けてください。
正面からの光は、スカートの凹凸や生地の質感を全て消し去り、のっぺりとした印象を与えてしまいます。これでは、商品の魅力が半減してしまいます。
プロが実践するライティング術
プロの現場では、被写体の真横、もしくはやや後ろ(半逆光)からメインのライトを当てるのが基本です。
- 窓際にトルソーを置く:最も簡単なのは、自然光が入る窓の横にトルソーを置くことです。窓が光源となり、自然なサイド光が生まれます。
- ライトを真横に設置する:撮影用のLEDライトなどをお持ちの場合は、トルソーの真横に設置します。
- 陰影を確認する:光が当たることで、プリーツの折り目や生地の織り目にくっきりとした陰影が生まれます。この陰影こそが、写真に立体感と高級感をもたらす鍵です。
ステップ3:スカートに「動き」を与える一工夫
静止した状態だけでなく、スカートが持つ「動きの美しさ」を表現できると、写真はさらに魅力的になります。
これは私たち「物撮り.jp」が、特にシフォンやサテンのような軽い素材のスカートを撮影する際に多用するテクニックです。
- 風を送る:うちわや段ボール、あるいは非常に弱い風量のサーキュレーターなどで、スカートの裾に優しく風を送ります。ふわりと裾が舞い上がった瞬間を連写し、最も美しい一枚を選びます。
- 持ち上げて落とす:アシスタントがいる場合や、セルフタイマーを使う場合に有効です。シャッターが切れる直前に、スカートの裾を軽く持ち上げてからそっと手を離します。生地が自然に落ちていく途中の、動きのある瞬間を捉えることができます。
この一手間を加えるだけで、写真に生命感が宿り、お客様は「着て歩いたら素敵だろうな」と想像しやすくなります。
ステップ4:カメラの設定:F値とピント位置の基本
一眼レフカメラやミラーレスカメラを使用する場合、簡単な設定で仕上がりが大きく変わります。
F値を小さくしすぎると(F2.8など)、ピントを合わせた部分以外がボケてしまい、商品の全体像が伝わりにくくなります。
商品撮影では、スカート全体にしっかりとピントが合うように、F値をF8〜F11程度に設定するのが基本です。
これにより、手前のウエスト部分から奥の裾まで、商品のディテールが鮮明に写ります。
オートフォーカスで撮影する場合、カメラがどこにピントを合わせているかを確認しましょう。
基本的には、商品の中心や、ブランドのロゴ、特徴的なボタンや刺繍など、お客様に一番見てほしい部分にピントを合わせます。
ステップ5:レタッチで見せるべきポイント
撮影後のレタッチ(画像編集)も重要です。ただ明るくするだけでは不十分です。
私たち「物撮り.jp」のレタッチでは、単なる明るさ調整に加え、「コントラスト」と「シャープネス」を微調整することに重点を置いています。
- コントラストの調整:サイド光によって生まれた陰影を少しだけ強調するようにコントラストを上げます。これにより、立体感がさらに増し、写真全体が引き締まります。
- シャープネスの調整:生地の質感を際立たせるために、シャープネスを少し上げます。これにより、ツイードの織り目やデニムの綾目、レースの繊細な模様などがよりクリアに見えるようになります。
ただし、やりすぎは禁物です。あくまで「素材の魅力を引き出す」程度に留めるのが、プロの仕上げです。
スカートの種類別!シルエット撮影の応用テクニック

基本の5ステップに加え、スカートの種類ごとに意識すべきポイントがあります。
フレアスカート・プリーツスカート
これらのスカートは「広がり」と「ドレープ」が命です。ステップ3で紹介した「動き」を与える工夫を積極的に取り入れ、サイド光で陰影を強調することで、その魅力が最大限に引き出せます。
タイトスカート・ペンシルスカート
体のラインに沿うシルエットが特徴です。
トルソーに着せることで、着用時の美しい曲線をリアルに表現できます。
特にデニムやコーデュロイのような素材感のある生地は、サイド光を当てることで質感が際立ち、高級感が生まれます。
レース・シフォンなど繊細な素材のスカート
透け感が魅力の素材は、応用として後ろから光を当てる「逆光」も効果的です。
スカート越しに光が透けることで、素材の繊細さや軽やかさが劇的に表現され、非常に上品で魅力的な写真に仕上がります。
まとめ:売れるスカート写真は「シルエット」の表現で決まる
スカートの商品撮影で売上を左右する最大の鍵は、そのスカートが持つ本来の「シルエット」をいかに美しく、立体的に表現できるかにかかっています。
- 必ずトルソーを使い、立体的に見せる
- 光は正面からではなく、真横から当てる
- 「動き」を加えて生命感を出す
- カメラのF値はF8以上に設定し、全体にピントを合わせる
- レタッチで陰影と質感を少しだけ強調する
これらのポイントを実践するだけで、あなたの商品写真は見違えるほど魅力的になります。
もし、「撮影機材がない」「どうしても上手く撮れない」とお悩みの場合は、ぜひ私たち「物撮り.jp」にご相談ください。
1カット550円という価格で、プロの技術と機材を使い、商品の魅力を最大限に引き出す写真をご提供します。商品をスタジオに送るだけで、全国どこからでもご依頼可能です。
あなたのブランドの大切な商品の価値を、写真を通して正しくお客様に届けましょう。

