SKUが多い商品写真を効率化する:プロが教える「ルール化」と「撮影・加工の選択肢」

2025.12.11
SKUが多い商品写真を効率化する:プロが教える「ルール化」と「撮影・加工の選択肢」

物撮りフォトグラファー、「物撮り.jp」の篠原です。

ECサイト運営者様やマーケティング担当者様が直面する最大の壁の一つ、それが「SKU(商品バリエーション)が多い商品の撮影」です。

色違い、サイズ違い、柄違い……これらを全て自社で撮影しようとすると、膨大な時間と労力がかかります。かといって、撮影品質を落とせば売上に直結します。

この記事では、私のスタジオでの実体験に基づいた「大量の商品撮影を効率的かつ高品質に行うための具体的ノウハウ」を公開します。

SKUが多い商品写真を効率化する:プロが教える「ルール化」と「撮影・加工の選択肢」

SKUが多い商品写真を効率化する:プロが教える「ルール化」と「撮影・加工の選択肢」

結論:SKUが多い商品を撮る最適解は「徹底的なマニュアル化」と「色替え合成」の使い分け

SKUが多い商品の撮影において、最も重要な成功法則は以下の2点です。

  1. 撮影環境の完全固定(マニュアル化): 三脚と照明位置をミリ単位で固定し、商品の配置位置(バミリ)を決めることで、誰が撮っても同じ画角・同じ明るさを再現する。
  2. 撮影と合成の線引き: 全ての色を撮影するのではなく、質感に影響がない範囲で「Photoshop等での色替え(カラーチェンジ)」を活用し、撮影カット数を減らす。

この2点を徹底するだけで、作業時間は半分以下になり、ECサイトに並べた時の統一感(=ブランドの信頼性)が劇的に向上します。

なぜ「SKUが多い撮影」は失敗しやすいのか?

なぜ「SKUが多い撮影」は失敗しやすいのか?

多くの現場を見てきましたが、失敗するパターンは以下の3つに集約されます。

  • 光のバラつき: 自然光や不安定な照明で長時間撮影するため、午前と午後で商品の色味が変わってしまう。
  • 配置のズレ: 商品ごとに置く位置が微妙にズレており、WEBサイトで一覧表示した際に画像がガタガタ動いて見える。
  • ファイル管理の破綻: 「IMG_001.jpg」のような連番で保存し、どの画像がどのSKU(品番)か分からなくなる。

これらを防ぐには、気合や根性ではなく「仕組み」が必要です。

プロが実践する「撮影効率化」3つのテクニック

プロが実践する「撮影効率化」3つのテクニック

私自身が「物撮り.jp」で毎日数百点の商品を撮影する中で実践している、具体的なテクニックをご紹介します。

① 「バミリ(香盤表)」で位置を完全固定する

SKU撮影で命取りになるのが「位置ズレ」です。これを防ぐために以下の準備を行います。

  • カメラと三脚の固定: アングルが決まったら、三脚の足元をテープで床に固定します。絶対に動かしてはいけません。
  • 商品の置き位置をマーク: 撮影台の上にマスキングテープなどで「商品の角を合わせるL字マーク」や「中心点」を作ります。
  • 透かし機能(オーバーレイ)の活用: テザー撮影(PCとカメラを繋いでの撮影)ソフトを使用している場合は、1枚目の画像を半透明でモニターに表示させ、2枚目以降の商品をその画像に合わせて配置します。

② 照明は「定常光(LED)」ではなく「ストロボ」推奨

SKUが多い場合、撮影は長時間に及びます。

  • 自然光: 雲の動きや時間の経過で色温度が変わるため、絶対NGです。
  • ストロボ(瞬間光): 常に一定の色温度と光量を保てるため、後からの色補正作業が激減します。弊社では全ての撮影で色温度管理されたストロボを使用しています。

③ 撮影フローを変える「色替えレタッチ」の判断基準

全ての商品を撮影する必要はありません。

「形と素材感」が同じで「色だけ違う」場合、1つのマスター画像を撮影し、あとは画像編集ソフトで色を変える方が効率的かつキレイな場合があります。

撮影すべき商品 色替え(合成)で済ませるべき商品
素材の質感が色によって大きく異なるもの(例:デニムとチノパン) Tシャツ、プラスチック製品、塗装された金属製品
柄物(チェック、花柄など) 単色(ソリッドカラー)のバリエーション
透け感のある素材 形状が完全に固定できる硬い商品

ファイル名管理の重要性:撮影後の地獄を防ぐ

ファイル名管理の重要性:撮影後の地獄を防ぐ

撮影と同じくらい重要なのが、データの管理です。

SKUが多いと、どのファイルがどの商品か分からなくなるリスクがあります。

推奨するファイル名のルール:

[品番]_[カラーコード]_[アングル].jpg

例:TSHIRT-001_RED_FRONT.jpg

私のスタジオでは、商品を撮影する前に**「品番を書いた紙」を最初に撮影**します。これにより、フォルダ内で画像の区切りが明確になり、リネーム作業(ファイル名の変更)のミスを防いでいます。

「自社撮影」vs「外注」 コストと品質の分岐点

「自社撮影」vs「外注」 コストと品質の分岐点

SKUが多い商品は、自社で撮るべきか、プロに任せるべきか。判断基準は「1カットあたりのコスト」と「スピード」です。

自社撮影が向いているケース

  • 社内に撮影専任のスタッフがいる
  • 商品到着からアップロードまでを数時間以内に行いたい(スピード最優先)
  • 機材とスタジオスペースが常設されている

外注(プロ)が向いているケース

  • 撮影業務で他の業務(企画やCS)が圧迫されている
  • 商品画像のクオリティ(特に白背景の白さや色の正確さ)を上げたい
  • 大量の商品を短期間で処理したい

もし、あなたが「撮影機材のセッティングに毎回30分以上かけている」や「色合わせに1枚あたり10分以上悩んでいる」のであれば、外注した方がトータルコストは安くなります。

プロの現場では、1商品あたりのセットアップから撮影完了までのフローが最適化されています。例えば、私が運営する「物撮り.jp」では、以下のような仕組みで低価格・高品質を実現しています。

  • 白背景の自動化ワークフロー
  • 1商品から対応可能な柔軟性
  • 1カット550円(税込)という明瞭会計

例えば、4色のカラーバリエーションがある商品を各4アングル撮影する場合(計16カット)、自社でやれば半日は潰れますが、プロに任せれば数千円〜で、しかも3日後には完璧なデータが納品されます。

まとめ:SKUが多い商品写真は「仕組み」で勝つ

まとめ:SKUが多い商品写真は「仕組み」で勝つ

SKUが多い商品写真の撮影を成功させるポイントをまとめます。

  1. アンサーファースト: 悩む前に、撮影位置の固定と照明の統一(マニュアル化)を行う。
  2. 効率化: 全て撮らずに、レタッチでの「色替え」が可能か検討する。
  3. 管理: ファイル名のルールを決め、撮影前に品番を撮る習慣をつける。
  4. 選択: 自社のリソースが限界なら、1カット550円〜のプロへのアウトソースを活用する。

商品写真は、ECサイトにおける「接客」そのものです。

大量のSKUがあるからこそ、統一された美しい写真は、お客様に「しっかりしたショップだ」という安心感を与え、購買率(CVR)を大きく引き上げます。

是非とも、商品撮影でお困りの際は「物撮り.jp」までお気軽にご相談ください。

 

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